2014 Fiscal Year Research-status Report
CFRPの高速曲線切断を可能とする丸のこ切削の開発
Project/Area Number |
26630021
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
笹原 弘之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00205882)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 切削加工 / 丸のこ / CFRP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,本来直線切断に用いられる丸のこを,椀状にたわませてCFRP(炭素繊維複合プラスチックス)を高速で曲線切断する新加工法および加工機の開発を行った.この方法によれば,現在主流であるエンドミルやアブレシブウォータジェット加工に比して飛躍的に高能率な切断が可能となり,生産工学・加工学分野のイノベーションにつながることが見込まれる.曲線切断丸のこは,曲率半径が大きいほど実現は容易であるが,のこ刃の径,厚みを変更することにより,比較的曲率半径の小さい自動車部品や樹脂製品,木材などに適用できると期待される.そこで小型の曲線切断丸のこ加工機を開発した.また,任意の曲線を切断するために必要な「湾曲の曲率」と「丸のこの移動軌跡」との制御手法の開発を行った. また,連続多刃の丸のこによる曲線切断における加工メカニズム,特にCFRPの層間剥離と工具摩耗について検討した.エンドミルによる切削と比べて,丸のこ切削時の特徴を抽出した.その結果,丸のこの振動が切れ刃側面の摩耗に大きく影響していることを明らかにした.層間剥離においてもエンドミルの切削様式と比較し,切削力を積層の剥離方向と直角に近い方向にすることが可能で,それにより剥離を低減できることを明らかにした.曲線切断丸のこにおいては,たわませる必要性から剛性を下げる必要があり,これと振動の発生は相関していることから,丸のこの剛性や減衰特性について調査を進める必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
丸のこを,椀状にたわませて曲線切断する加工機の開発・製作を完了している.また,任意の曲線を切断するために必要な「湾曲の曲率」と「丸のこの移動軌跡」との制御手法のプロトタイプも完成した. また,連続多刃の丸のこによる加工のメカニズム,特にCFRPの工具摩耗と層間剥離とについて検討した.その結果,丸のこの振動が切れ刃側面の摩耗に大きく影響していることを明らかにした.層間剥離においてもエンドミルの切削様式と比較し,切削力を積層の剥離方向と直角に近い方向にすることが可能で,それにより剥離を低減できることを明らかにした.現在までの達成度については概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の試験機の開発と実験的な検討に加えて,曲線切断のNCプログラム作成を容易に行うためのシミュレーション開発も平行して行う.設定した自由曲線に対し,同時5軸制御のNCプログラムを生成し,実際に切断加工が可能なシステムとして構築する.丸のこの切削機構について,特にエンドミル切削との相異点を明らかにし,本手法の優位性について検討する.最終的には,加工断面評価機能,干渉した場合ののこ刃経路の自動修正機能等を実装し,上記した曲線連続加工法の高精度化をめざす.
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Causes of Carryover |
加工機の制作費が,予定よりも少額で済んだため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に工具費として使用する予定である.
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[Presentation] 小径曲線切断丸のこの開発2014
Author(s)
山田洋平,楠富達仁,笹原弘之
Organizer
日本機械学会第10回生産加工・工作機械部門講演会
Place of Presentation
徳島, 徳島大学
Year and Date
2014-11-15 – 2014-11-16
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