2014 Fiscal Year Research-status Report
ループ型カーボン繊維マイクロブラシによる軽量・低起動トルクすべり軸受の提案
Project/Area Number |
26630040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅原 徳次 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70203586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野老山 貴行 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20432247)
上坂 裕之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90362318)
新田 勇 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30159082)
月山 陽介 新潟大学, 自然科学系, 助教 (00533639)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 工学 / 機械工学 / トライボロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)カーボン繊維をループ状に束ねたループ型カーボン繊維マイクロブラシ膜の創製 硬質カーボン繊維を束ね,円筒に巻き付け、円筒を抜くことにより、ループ状のカーボンマイクロブラシを創製することに成功した。また、円筒の形状を変えることで、突き出し長さも変化させることが可能となった。 (2)ループ型カーボン繊維マイクロブラシのすべり出し時の真実接触面積その場観察装置の検討 楕円偏光金属顕微鏡上の1軸ステージにガラスプリズムを固定し、ループ型カーボン繊維マイクロブラシを種々の荷重で押しつけ、ガラスプリズムを水平方向に移動する際の動画をビデオ撮影し、ループ型カーボン繊維とガラス面の真実接触面積を計測する方法の可能性を検討した。具体的には、新潟大学の新田教授、月山助教の研究室において、ループ型カーボンブラシを所定の荷重で押しつけ、接線方向に力を作用し、巨視的すべりが生じるまでの過程における、接触長さを測定し、接線方向の力とブラシの接触長さと比例関係である事を明らかにした。この結果より、摩擦力の制御が、ループ型カーボンブラシの変形特性の制御により可能となることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画内容は全て完遂した。 加えて、平成27年度の研究内容であるマイクロジャーナル軸受けの設計にも着手した。 このため、当初の計画以上に進展しているとみなせる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、H27年度は以下の研究を行う。 (3)ループ型カーボン繊維マイクロブラシの滑り出し時の真実接触面積と摩擦力の関係の解明と低静摩擦のための設計指針の提案 ループ型カーボン繊維マイクロブラシ真実接触面積その場観察装置により、種々のループの突き出し長さにおいて、真実接触面積と摩擦力の関係を明らかにし、ループ型カーボン繊維マイクロブラシの弾性変形の静・動摩擦特性に及ぼす影響を明らかにする。それらの特性の中でも、起動時トルクの摩擦につながるのが静摩擦力であるため、静摩擦を減少させるループ型カーボン繊維マイクロブラシの設計指針を提案する。 (4)ループ型カーボン繊維マイクロブラシジャーナル軸受の試作 ループ型カーボン繊維マイクロブラシによりジャーナル軸受を構成するためには、軸受材料にカーボン繊維を植毛する方法もあるが困難が予想される。そこで、柔軟な樹脂平板にミシンによりカーボン繊維をループ型に植毛し、樹脂平板を湾曲させ、軸受内部に挿入するループ型カーボン繊維マイクロブラシジャーナル軸受を試作する。
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Causes of Carryover |
種々の突き出し量のループ型カーボンファイバーブラシの作製のために本予算を確保していたが、軸受け形状の決定が遅れ、製作できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ループ型カーボンファイバーブラシを用いたジャーナル軸受けの設計製作において、材料の購入に使用する予定である。
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