2014 Fiscal Year Research-status Report
クヌッセンポンプを用いたPM2.5濃度計測装置の開発
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26630048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 智秀 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70164522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩樹 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50432240)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 流体工学 / 熱遷移流 / クヌッセンポンプ / 環境計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,温度差のみにより駆動されるクヌッセンポンプを構築し,基礎特性を調査した上で,多孔質膜における上・下流の圧力差から多孔質膜上に堆積した微小粒子の量を計測するCAMM法を組み合わせることによって,小型で可搬かつ安価で操作性も良いPM2.5 濃度計測手法及び装置の開発を行うことを目指している. まず,クヌッセンポンプの基礎特性の調査を行った.クヌッセンポンプは温度の異なる2つの空間を平均自由行程と同等程度の微細流路でつなぐことによって構成される.ただ,微細流路では流量が非常に小さくなってしまうため,ポンプとしての流量性能を出すためには流路の本数を増やす必要がある.そこで,孔径の小さい多孔質膜を微細流路群として採用した.そして,汎用真空部品を組み合わせることによって,多孔質膜が容易に交換可能な簡便な構造のクヌッセンポンプを製作した.製作したクヌッセンポンプを用い,多孔質膜の孔径や重ねる枚数を変化させ,ポンプとしての基礎的な特性である流量と差圧の関係性を調査した.そして,流量と差圧のモデル関係式を実験結果はよく満たしていること,適切な孔径と重ねる枚数を選択することで十分な性能が得られることを確認した.また特に,異なる孔径の多孔質膜を重ね合わせた場合には,重ね方によって特性が変化する可能性が示された.このことは低温側と高温側の間をつなぐ流路の径が変化する場合には径の変化の仕方により流れやすさが変わる可能性があることを示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クヌッセンポンプの構築と基礎特性の調査を完了した.また,孔径を変化させることで流れやすさに方向性が出る可能性を新たに見出した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築したクヌッセンポンプを用い,多孔質膜上に微小粒子が堆積することによって変化する圧力損失から堆積した微小粒子の量を計測するCAMM法による計測を試みる.今回のクヌッセンポンプは容易に多孔質膜を交換できることから,様々な孔径の多孔質膜を用いることでCAMM法による計測の実現可能性を探る.
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Causes of Carryover |
当初考えられていなかった多孔質膜の重ね方による特性変化が観察されたため,その性能調査を進めたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り,CAMM法の構築を行うために使用する.
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