2014 Fiscal Year Research-status Report
圧力計測に基づく量子乱流渦と個体粒子の相互作用の解明
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26630050
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻 義之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252255)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超流動 / 量子乱流 / 量子渦 / 変動圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
超流動ヘリウム流動場における圧力計測を実施するための準備を着実に進めることができた。金属デュアーに温度計を設置することにより、飽和蒸気圧温度に沿った4.2K以下の超流動状態を確実にモニターできるようになった。金属デュアーを用いた実験を幾度かおこない、1.7Kまでの低温状態を実現できるようになった。超流動中に流れを励起するためには、カウンター流を用いる。こそで、デュアー内にダクトを設置し、その下部にヒーターを設置してヒーター出力とヘリウムの温度を調整しながら、どの程度の大きさの流動が生成されるのか可視化画像の解析から確認した。可視化に際しては、微小なトレーサー粒子をヘリウム中に一様に混入することから、その軌跡を追跡することでラグランジュ速度の算出をおこなった。ランダウの提示した二流体モデルからの逸脱は確認されるが、おおよそ近い値を示すことが実験から明らかになった。この流速変動から圧力の大きさを見積もることを実施する。 変動圧力の計測に関しては、トランスデューサを用いたプローブを作成して、液体窒素中での試験計測を行った。センターとプローブ本体とのリークが原因で、変動圧力の計測に影響を与えることがわかった。また、自由界面の揺らぎが静圧変動として、計測値に過大に含まれるなどの問題点が明らかになった。今年度は、これらの問題点を解決することならびに、センサー種類を変更することを計画している。極低温下での圧力計測に関しては、既存の研究例が報告されているため、トランスデューサ以外の圧力計測を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超流動ヘリウムにおける流動を可視化できたこと、またその流速を定量的に算出できた。この速度変動に基づき圧力値を見積もること、並びに、圧力センサーを用いた直接計測を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
圧力センサーを用いた流動中の変動圧力計測をおこなう。これまでの予備実験から、圧力センサー形状の改良、センサー自体の変更を予定している。極低温下での圧力計測の事例を調査するとともに、本計測法の独自性を発揮できるよううに進める。
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Causes of Carryover |
為替レートの変動などで、当初の予定金額と相違ができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の実験消耗品と合わせて使用する。
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