2016 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of needless ice freezing method based on the model of ice formation on the biological magnetite in the tissue.
Project/Area Number |
26630062
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 厚子 東京工業大学, 地球生命研究所, 研究員 (50557212)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体内マグネタイト氷晶モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
弱い電磁場を暴露すると組織内の水分子が振動し、細胞の凍結損傷を防ぐCells Alive System技術(CAS)に対する疑問が出ている。CAS付きという過冷却促進機能を備えた冷凍庫も販売されている。低周波数の弱い電磁場下(10ガウス以下)で試料内の水分子を振動させると過冷却が促進され、細胞組織の破壊を最小限に抑えるということである。一方、CASの効果が得られない試料の存在(Suzuki et al. 2009)、CASの物理的な疑問が呈されている。水は弱い反磁性しか示さず、10ガウス程度の電磁場下では、水分子が受ける磁力は自身の熱運動にかき消されてしまう。水は弱反磁性であり、弱い電磁場下では影響を受けないからである。これまでヒト脳、がん組織細胞等を含めて、多くの生体組織内に形成する極微量の強磁性体マグネタイト結晶微粒子を検出してきた。水が凍結する時、水分子クラスターが、氷晶核サイトとなる金属・ミネラル等の結晶の表面で針状の結晶に成長する。本研究目的は、マグネタイト微粒子が振動磁場下で振動することに注目した“生体内マグネタイト微粒子氷晶モデル説”を提唱し、針状の氷晶形成を阻止する凍結技術の向上を図ることであった。通常の水と磁性体微粒子を取り除いた水を用いて、CASシステムの過冷却効果を実験的に検証した。そして、本研究で提唱する”生体内の磁性体微粒子凍結モデル説”を実証することができた。超伝導量子干渉素子装置(SQUID)による様々な試料の磁性体微粒子含有量の測定と氷晶核サイト数の予測が可能になった。それにより、過冷却の促進が現れない試料の予測が可能になり、今後の計画的な食料保存政策に貢献する。
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