2016 Fiscal Year Annual Research Report
Nanocavity at Solid-liquid Interface and Boiling Enhancement
Project/Area Number |
26630068
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
長山 暁子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60370029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 沸騰伝熱 / 分子動力学計算 / ナノ・マイクロキャビティ / 固液界面 / 核生成理論 / 濡れ性 |
Outline of Annual Research Achievements |
沸騰は伝熱における重要な現象でありながら,学術的には未解明な点が多い.沸騰伝熱性能を向上するにあたって,従来から数μmから数百μmオーダーのキャビティを固体表面に形成する技術がよく知られるが,近年ナノキャビティを固体表面に形成する技術が注目されている.しかし,これらのナノ・マイクロキャビティは,発泡点密度または気泡の離脱との関連性が不明のまま,沸騰伝熱促進あるいはCHF向上のメカニズムが理解されていない. 本研究では,ナノキャビティのサイズや固液界面エネルギー(濡れ性)などを含めた伝熱面の表面性状が核生成に及ぼす影響を解明し,沸騰現象に対する最も基本的な理解を得ることを目的とする.最終年度では,引き続き分子動力学シミュレーションを用いて,キャビティサイズ,濡れ性,加熱条件によるシミュレーション条件を変化させ,ナノキャビティにおける核生成,気泡の成長と離脱現象を計算によって再現した.活性キャビティと不活性キャビティの固液界面エネルギーを評価し,活性キャビティの有効サイズ範囲はナノスケールにも含まれることを明らかにした.しかし,気泡の離脱に関しては,離脱速度が気泡半径に依存し,気泡半径が小さければ小さいほど固液界面から離脱しにくいことが分かった.また,気泡の初期生成について,実験による検討を行い,飽和温度以下において固液界面における気泡核を確認するとともに,ナノ気泡を含有した作動液と含有しない作動液の対流伝熱特性を比較した.さらに,固液界面の界面抵抗のスケール効果を明らかにし,今後はナノ・マイクロキャビティによる界面抵抗が気泡成長過程における熱伝達特性に及ぼす影響を調べる必要がある.
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