2014 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化マップによるインテリジェント学習制御手法の開発
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26630075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本田 真也 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90548190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 振動制御 / 適応制御 / 自己組織化マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,制御理論としては古典制御理論,現代制御理論など数多くあるが,その多くはモデルベースであり,制御器を構成する場合には制御対象を解析あるいは同定しモデル化を行う必要がある.そのため制御対象が大きな非線形性を有するなど複雑である場合には,モデル化誤差が大きくなり制御性能が悪化してしまう.そこで近年モデル化を行う必要がないニューラルネットワークを用いた制御手法が注目されている.ニューラルネットワークの制御への応用はすでに数多く報告されているが,これらの制御手法ではアルゴリズムが複雑化してしまう難点がある.そのため,本研究ではニューラルネットワークの一種で,かつシンプルなアルゴリズムを持つ自己組織化マップ(SOM: Self-Organizing Map)を用いた学習型適応振動制御を提案した.SOMを用いた制御では入出力信号のみをオンラインで学習することにより制御対象の統計モデルを作成するため制御対象の数値モデルが必要ない.また,制御対象に故障や環境変化による何らかの異変が生じても,SOMの学習効果により柔軟に対応可能である. MATALB/Simulink環境下で未知制御対象の振動制御数値シミュレーションを行った結果,本アルゴリズムの有用性を確認できた.また,HIL(Hardware In the Loop)システムによる実時間振動制御実験を行った結果,本研究で提案している手法が実際に振動を素早く抑制できることを確認した.ここで未知な制御対象として擬似等方性CFRP (carbon fiber reinforced plastic)積層板とPZTアクチュエータからなるスマート構造物を採用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り初年度においてアルゴリズム開発を行い,実験によりその有効性を確認できたため.次年度以降に本手法を利用し,従来手法では対応が困難な制御対象に対して振動制御を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果によりSOMを応用した振動制御手法が有効であることが数値シミュレーション・実験により明らかになったため,次年度ではこの手法を具体的な対象物へと応用する.具体的には形状双安定性を有する複合材シェルを想定している. 積層複合材は適切な繊維配向角度で非対称に積層することで,硬化過程の熱異方性による残留応力により,二つの安定なシェル形状を有する双安定性を示す.これらのシェル構造物は少ない入力エネルギで比較的大きな変形を実現できるため,航空機などのモーフィング翼や輸送機器の開閉インテークなどへの応用が期待されている.可変形状スマート複合材の採用により,部品点数の削減および構造の軽量化が実現できるため,双安定複合材は近年の複合材工学分野では世界的に注目され始めている.一つの安定形状からもう一方の安定形状へのスナップスルー変形を生じさせるためのアクチュエータとして圧電材などの利用が考えられる.また,その圧電材は運用中に受ける衝撃などによる誤作動を防止するための振動制御への援用も可能である.しかしながら,非対称積層された複合材の各層間に生じた残留応力を考慮した振動モデルの構築や,可変形状性を考慮した双安定複合材の制御系設計は煩雑であり,運用中の環境変化にも対応不可能である.そのため,本研究で開発するような,柔軟に定期追う可能な学習制御手法の適用が不可欠である.本手法の利用で新たに着目されつつある,複合材の双安定性に関する研究の活性化に貢献できると考えられる.
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Causes of Carryover |
実験用の消耗品や設備が研究計画よりも少額で手に入ったため,多少の繰越金が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度予算は実験設備の購入やアルゴリズム開発用のソフトウェアライセンスとして使用し,また国際学会(マレーシア)や国内学会(弘前大学)の旅費として使用する.
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Research Products
(3 results)