2014 Fiscal Year Research-status Report
大型構造物を対象としたコムセルフビート距離計を用いた粗面の三次元絶対形状測定
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26630087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高増 潔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70154896)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コムレーザー / 距離測定 / 粗面 / 三次元測定 / 大型構造物 |
Outline of Annual Research Achievements |
コムセルフビート距離計の概念設計および基礎実験を中心に行った.まず,基本技術および問題点を抽出った.また,研究協力者として企業からの意見を聞き,生産環境のニーズや概念設計に必要とされる条件(測定精度,測定範囲,測定時間,コスト)を検討した.コムセルフビート距離計は高速(数kHz 以上)に絶対距離(10 m までの距離を 1 μm の分解能で計測)の測定が可能であり,空気ゆらぎの影響を受けにくい.しかし,セルフビートは高周波数のため,位相差計測のためにはビートダウンが必要である.このビートダウンの方法が,高精度化には不可欠となる. 本年度は,二種類のコムレーザを利用することで,ビートダウンを高精度化するための実験を行った.また,実際のシステムを運用するためには,システムの三次元絶対位置の校正がキーポイントとなる.すでに,三次元座標計測システムの校正に関して多くの研究を行っているため,これらの成果を利用し,システムの校正および精度評価のシミュレーションを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的に対して,本年度の研究は以下の2つの点に絞って行った.まず,概念設計として,コムセルフビート距離計の基本的な構成を検討し,そのフィジビリティ(測定精度,測定時間,コスト,環境)の検証を行った.既存のフェムト秒レーザを用いて,基本実験を行い,二種類のコムレーザを利用することで,ビートダウンを高精度化するための実験を行い,概念設計の検証を行えた. つぎに,システムの三次元絶対位置の校正のための検討を行い,システムの校正および精度評価のシミュレーションを行った. これらの成果により,概念設計およびフィジビリティの評価を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の基礎実験を踏まえて,問題点の解決と三次元化の基礎実験を行う.問題点としては,ビートダウンにおける基準周波数の位相雑音による位相差計測精度の低下があげられる.これについては,二種類のコムレーザを使う.周波数発振器とコムレーザの位相雑音を比較すると,コムレーザの位相雑音が非常に小さいことが分かっている. 次に,スキャナーを利用して三次元絶対形状計測の方法を検討する.さらに,市販の三次元スキャナーと組み合わせることで,三次元スキャナーを校正することや,その高速性を生かして複合的なシステムを構築することができる.システム全体およびスキャナーの校正については,自己校正を用いた方法が有力である.この手法を適用することで,三次元空間の絶対的な計測を高精度で行うことが可能となる.
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