2014 Fiscal Year Research-status Report
物性及び力制御可能な伸縮シートの材料と構造及び制御
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26630092
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
土屋 陽一郎 信州大学, 繊維学部, 研究員 (30719456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 稔 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60156297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 伸縮シート / PVCゲル / アクチュエータ / 人工筋肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究の目的 「物性及び力制御可能な伸縮シートの創製」ということで、PVCゲルを電気的制御ができるシート状に構成し、従来にない制御可能な伸縮シートの材料と構造及び制御の基礎技術を構築することである。具体的にはPVCゲル及びPVCと電極一体ファイバーの作製技術を確立し、この伸縮シートを用いて物性や力制御可能な伸縮シートの構造及び制御技術を確立することである。 2.平成26年度の計画 (1)PVCゲルファイバーと伸縮性導電ファイバーの試作 (2)鞘材にPVCゲル、心材に伸縮性導電材料の芯鞘構造ファイバーの試作 3.成果とその意義 (1)最初にテキスタイル構造の伸縮シートを考案し、伸縮メカニズムの仮説を立て、実現可能性を検証することとした。具体的には例として芯鞘構造の導電性PVCゲルファイバーを陰極、陽極にPVCゲルファイバーとしてそれぞれ縦糸、横糸にしこれに電圧を印加すると陰極のPVCゲルが陽極に吸着し絡みつくことでシートは陽極ファイバーの配列方向に収縮する。電圧印加を解除するとゲル自身の弾性で元の状態に戻る。このことを簡易評価装置を製作し実現可能性を検証した。(2)比較的容易な矩形断面の芯鞘構造の導電性PVCゲルファイバーを作製しこれを陰極ファイバーとした。また、原理確認を優先するため陽極にはアルミニウム棒を用いた。実験室で製作するには難易度の高い円形断面のPVCゲルファイバーの製作は後回しにした。課題はPVCゲルと柔軟性が近似した導電性芯材を製作することであったがこれをクリアできたことは重要なステップとなった。(2)簡易評価装置は縦糸と横糸の交叉点での挙動を詳細に評価した。その結果、電圧印加により陽極を支点に陰極ファイバーは屈曲変形しその量は電圧印加の増大に伴い大きくなった。このことにより伸縮シートの実現可能性を概ね検証することができ、本研究のステップアップすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
円形断面のファイバーの製作はできなかったが、矩形断面の芯鞘導電性PVCゲルファイバーの製作に成功し、簡易評価装置により電気的制御可能な伸縮シートの実現可能性を概ね検証できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.高次構造のテキスタイルシートを製作し伸縮シートの実現可能性を検証する。 2.円形断面のファイバーを製作し、工業的製品に近いシートを製作し特性を評価する。 3.テキスタイル構造以外の伸縮シートの構造と伸縮メカニズムを考案及び検証する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた紡糸ノズルの設計および高次構造での評価を行う制御システムの 構築を次年度に延期したため、次年度使用額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額とH27年度請求額を合わせて以下の治具及びシステムの製作を行なう。 1.ファイバー製造のための紡糸ノズル 2.伸縮シートの最適構造検討のための治具及び伸縮シート製作のための治具 3.伸縮シートの特性評価をするためのシステム
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