2015 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲンナノファイバーを足場とした細胞培養によるバイオアクチュエータの創製
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26630093
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
橋本 稔 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60156297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 建 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (20143993) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオアクチュエータ / 人工筋肉 / コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
生体筋の有する優れた特性を発揮することのできる細胞培養バイオアクチュエータの創製を目的とする。そのために、コラーゲンナノファイバーを足場として筋芽細胞の培養を行い、ファイバー状筋線維集合体に成長させる。ファイバー状筋線維集合体を束ねることで、アクチュエータ構造を構成する。 H26年度までにコラーゲンファイバーに筋芽細胞を配向性よく成長させることができたので、H27年度はコラーゲンファイバーを平面上に並べた単層配向コラーゲンシートを用いて細胞培養を行った。その結果、筋管細胞への成長が確認でき、コラーゲンシートのファイバー配向に対して平行に配向する筋管細胞が半数を占めた。よってコラーゲンシートの単層配向は筋管細胞に配向性を付与することができたと考えられる。 これらがどのように収縮運動に影響するのかを調べるために、配向性評価と同一の細胞を用いて電気刺激実験を行った。1Hz、1V、パルス幅20msのパルス電圧を出力し、アンプで30Vに増幅して筋管細胞に電気パルス刺激を与え、筋管細胞の挙動を観察した結果、筋管細胞は横方向に約30μm収縮した。電気刺激による収縮運動が発生していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞培養によりコラーゲン足場上に筋管細胞が成長することを確認できたが、筋管細胞への電気刺激により収縮運動する細胞の数が少なく、大きな収縮運動にはなりえていない。筋管細胞集合体の一方向への収縮運動となり難く、一部の細胞の運動に留まっている。一方で印加電圧の増加なども試みているが、印加電圧を増大すると培養液が電気分解して気体を発生するため、培養液中に泡がたくさん生成されてしまうなどの問題が発生する。 このような問題があるため、現状ではエレクトロスピニングによりコラーゲンナノファイバーを生成して、細胞培養するまでに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は本研究の最終年度となるため、研究計画の変更も視野に入れてよりよい成果が得られるように研究を進める必要があると考えている。 まず、筋管細胞の電気刺激方法について再度検討して、筋管細胞の集合体が同時に収縮運動を起こす条件を見出すことが重要である。そのために、電気刺激用の電極端子と筋管細胞の接触状態を維持するための実験装置の施策を行い、収縮運動の実現を目指す。その上で、筋芽細胞を様々な条件下で成長させ、大きな筋管細胞集合体を形成させる。最終的には、成長した筋管細胞集合体にアンカーを構成して収縮運動を確認する。
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Causes of Carryover |
収縮運動の計測のための消耗品が安価で購入できたため経費が残り、次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大きな筋管細胞集合体の生成を実現して、電気刺激の方法を確立した上で筋管細胞集合体への収縮運動特性を計測する。収縮運動の変位特性等を計測するためのセンサやデータ処理用PCの購入に前年度未使用額を合わせて使用する予定である。
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Research Products
(2 results)