2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630102
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40424808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 忠大 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (10340605)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲル / ゲルアクチュエータ / ゲルポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまで振動化学反応と高分子ゲルが共役することで体積が膨潤・収縮振動する自律振動ゲルに関する基礎研究を行ってきた.この振動ゲルは金属錯体の酸化・還元振動を示めすBelousov-Zhabotinsky(BZ)反応の化学エネルギーを,直接ゲルの体積振動に変換するする興味深いシステムである.振動ゲルはBZ反応の金属錯体と刺激応答性高分子PNIPAAmにルテニウム錯体を組み込むことで実現できる.本研究では,このゲルの振動を制御することで自律的に薬物などを排出できるポンプの仕組みを検討した.特に,ゲルに予歪を加えるなどの機械的な拘束条件を加えると,ゲルがポンプとしての能力が大幅に向上することを見出した.このメカニズムについて,熱力学の視点から明らかにし,制御可能であることも見出した.ゲル内に組込まれた金属錯体が還元状態と酸化状態によって,ゲルの溶解性が変化し,膨潤・収縮運動が誘起される.予歪によってゲルの溶解性が変化し,系のエンタルピーとエントロピー変化が還元状態と酸化状態で大きく変化することが明らかとなった.これまでは,ゲルが貧溶媒下で駆動していたが,予歪の効果によって良溶媒下で駆動することが重要であることも分かった.したがって,これらの知見を総合的に活用し,外部に流体的なポンピング可能な条件について検討し,ポンプのプロトタイプを設計し,外部の流体が拍動することが可能であることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予歪を制御することで,ゲルポンプの変位を向上することは可能となった.さらに,これまで困難であった系外部に対して,ポンピング可能となったことは大きな進展であるが,当初の予定の小型化までは実現に至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでの研究成果を統合し,デバイスの小型化に取り組みたいと考えている.また,これらの成果を国際的な論文誌に投稿したい.
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Causes of Carryover |
振動ゲルの基礎的な特性を大幅に向上させる,予歪法を新規に見出し基礎特性を明らかにすることに注力し,比較的大きなスケールでポンプの設計に成功した.当初の計画の小型化を行うことと,これまでの成果を論文として投稿するために次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在,小型にするためのファブリケーションに注力している.また,論文も投稿準備中である.2016年9月を目途に論文を投稿を予定している.
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Research Products
(3 results)