2014 Fiscal Year Research-status Report
風力熱蓄積発電のシステム設計と究極のエネルギー密度を持つ発電発熱機開発
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26630118
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Research Institution | International Superconductivity Technology Center (Superconductivity Research Laboratory) |
Principal Investigator |
岡崎 徹 公益財団法人国際超電導産業技術研究センター(超電導工学研究所), その他部局等, 主管研究員 (20572978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武恒 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30303861)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 風力熱発電 / 蓄熱 / 太陽熱発電 / 系統余剰電力 / 国際情報交換 ドイツ / 発熱機 / 発電発熱機 |
Outline of Annual Research Achievements |
●風力・太陽熱・回転機と多方面の分野から専門家を集め、研究会を実施し、さらに日本にてドイツと風力熱ワークショップを実施した。これにより他分野に渡るシステムの概念設計に必要な情報が集まり、システム設計が可能となった。超電導採用による高温化の有効性も確認された。 ●結果の妥当性を確認するためドイツで風力・太陽光・熱応用シンポジウムを実施し、ドイツ側参加者30名、日本側参加者8名で議論を行い、その可能性を検討した。今後日独で連携して検討し、その可能性をさらに深く検討することで合意した。また太陽熱発電の現状技術も把握し、これと風力熱発電を併設することでシステム稼働率が大きく向上し発電コストの大幅低減が可能となることが推定された。化学蓄熱検討の動向も判明した。 ●ドイツ側でも低温であるが安価なタイプの発熱機を風車に導入し、給湯暖房など発電目的以外の検討が進められていることが判明した。日本では淡水化に利用する案も浮上している。 ●発電発熱機の実験を実施し動作を確認した。回転機の動作として発熱動作が可能であることを確認した。入力変化に対して温度変化が緩やかであり予測通りの結果が得られた。 ●発電発熱機は可変速揚水の様に刻々と変化する再エネ大量導入に伴う電力系統余剰電力吸収にも利用できることが新たに判明した。これには発熱機の機能を利用する。さらにシステム稼働率が向上し、大きなエネルギーコスト削減が見込めることが推定できた。風車システムの中でダイレクトドライブ型の優劣が判明し、安価にダイレクトドライブ型が実現できる風力熱発電は土地面積あたりのエネルギー収量においても有利になる可能性が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
●発熱実験が予測通り、入力の変化に対して温度は緩やかな変化にしかならないという結果を出し、国内での研究会・学会発表を行った。風が急変しても出力変化がマイルドであるのは電力系統にとって有用である。 ●ドイツ・DLRと同様な検討をしていることがわかり、国際シンポジウムを実施して情報交換を行った。ドイツ側30名、日本からも8名と多数の参加者があり、充実したシンポジウムとなった。 ●ドイツでは早速ドイツ国内の研究予算獲得に動いている。DLR内の数組織以外にシュツットガルト大、ハノーバー大、民間3社が協力する。日本側は大学等が7組織、民間が5社、ドイツ側のファンド条件にもよるが参加希望を表明している。 ●風力熱の新たなメリットが予測され、国際シンポジウムを継続して実施することが決定した。来年度は日本で実施する。 ●DLRより国際シンポジウム実施時の旅費・滞在費が支給されることになったが、実際の費用振り込みが年度をまたぐため研究期間の延長手続きを行った。よってこれは計画進展遅れを示すものでは無い。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツとの協力関係を維持し、まずはドイツの太陽熱発電所への併設を目指してシステム検討を続行する。 発熱機は類似のものはあるが機能として完全な物が存在しないため、これの開発着手に繋がるよう、活動する。 DLRからの渡航費補助は研究費としては多くないため、旅費などとして利用していく。
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Causes of Carryover |
2015年2月25日にドイツにてシンポジウムを開催することになり 一方、招待講演となったため旅費の払い戻しがある。 払い戻された時点でドイツ旅費を精算する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらなるシステムの経済性検討のため各地の有識者と相談するための旅費とする。
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Research Products
(10 results)