2014 Fiscal Year Research-status Report
グラフェンをベースとしたホットエレクトロントランジスタの電流利得向上
Project/Area Number |
26630121
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長汐 晃輔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20373441)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ALD / バッファー層 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホットエレクトロン注入の効率化には,絶縁膜のラフネス減少が鍵である.原子膜堆積装置(ALD)による原子層堆積手法と低温高圧酸素アニールを組み合わせることにより,極薄かつ絶縁体性の高い絶縁膜を形成することを目的として実験を行った。 まずSiO2上でのALD-Y2O3膜の特性を基本とすることから、この基本特性を計測した。Yプリカーサーのパルス時間を変化させて、成長速度を計測したところ、0.07nm/cycleで成長速度が一定になった。また、成膜温度を変えても0.07nm/cycleのところで成長速度が一定になったことから、表面反応律速過程になっていると考えられる。この成膜条件において,膜厚を変えて1/Cでプロットすることにより誘電率を算出したところ、12.9とバルク(12~14程度)と同等の値を得た。 次に、グラフェンに欠陥を導入しないhigh-kバッファー層堆積技術として、Ar10^-1Pa中で金属Yを堆積し堆積時のエネルギーを低減させることを試みた。結果、真空中での蒸着と比較して、ラマンのDバンドが無い状態でのバッファー層形成に成功した。次に、バッファー層上のALD-Y2O3形成を試みた。ALDサイクルにおいて、完全な表面律速から気体中での酸化させる方へ意図的に条件をずらすことでALDで常に問題となるカーボンコンタミをXPSでの測定限界以下まで低減させることに成功した。また、さらに既報で問題となっていた、OH基の混入もほぼ低減することに成功した。以上より、本年度の目的であった絶縁膜形成技術に関しては、達成できたものと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホットエレクトロン動作において最も重要な絶縁性バリアの形成技術をほぼ確立できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ベース厚さの観点から単層が最良だが,量子容量を考慮した場合,2層の方が適している可能性が高い.1層及び2層グラフェンの量子容量測定を実際に行い,層数依存性を把握する.
|
Research Products
(6 results)