2015 Fiscal Year Research-status Report
極薄シリコン/シリコン酸化膜二次元量子構造への電子トンネル注入発光デバイスの研究
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26630130
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 瑞穂 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50157905)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シリコン / シリコン酸化膜 / 発光デバイス / 量子井戸 / トンネル効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン・オン・インシュレータ基板上に製作した極薄シリコン酸化膜/極薄シリコン層/埋込シリコン酸化膜構造のフォトルミネッセンス特性のシリコン層厚さ依存性において、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーの発光を観測し、シリコン層の薄膜化に伴って高エネルギー側へシフトするピークは二次元構造における量子閉じ込め効果による発光、シリコン層厚さに依存しないピークはシリコン/シリコン酸化膜界面のトラップ準位を介した発光であると考えられる。 インジウムスズ酸化物/極薄シリコン酸化膜/極薄シリコン層/埋込シリコン酸化膜構造デバイスのエレクトロルミネッセンス特性のシリコン層厚さ依存性において、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーのピークを観測し、シリコン層の薄膜化に伴ってピークは高エネルギー側へシフトし、ピークの半値幅が狭い発光を観測した。シリコン層厚さに依存するピークは、二次元構造における量子閉じ込め効果による発光であると考えられる。ピークの高エネルギー側へのシフトは、シリコン層のエネルギーギャップの増大を示唆している。発光波長のシリコン層厚さ依存性は、発光波長をシリコン層厚さにより制御できることを示唆しており、光配線発光部への応用上重要である。 シリコン酸化膜を形成しないインジウムスズ酸化物/極薄シリコン層/埋込シリコン酸化膜構造デバイスのエレクトロルミネッセンス特性において、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーの発光は観測されなかった。シリコン酸化膜を形成したデバイスでは、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーの発光を観測した。シリコン酸化膜は、高いエネルギーの電子のシリコンへの注入に寄与していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発光特性のシリコン層厚さ依存性の解明においては、フォトルミネッセンス特性を測定し、シリコン層の薄膜化に伴って高エネルギー側にシフトする二次元構造量子閉じ込め効果による発光とシリコン層厚さに依存しないシリコン/シリコン酸化膜界面のトラップ準位を介した発光を観測した。また、エレクトロルミネッセンス特性を測定し、シリコン層の薄膜化に伴って高エネルギー側にシフトする二次元構造量子閉じ込め効果による発光を観測し、ピークの半値幅が狭い発光を観測した。発光特性のシリコン酸化膜厚さ依存性の解明においては、シリコン酸化膜を形成しないデバイスのエレクトロルミネッセンス特性を測定し、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーの発光は観測されなかった。シリコン酸化膜を形成したデバイスでは、バルクシリコンバンドギャップより大きいエネルギーの発光を観測した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を研究計画通りに遂行する。発光特性のシリコン層厚さ依存性の解明と発光特性のシリコン酸化膜厚さ依存性の解明を継続して推進する。特に、発光波長のシリコン層厚さ依存性を解明し、発光波長の制御法を開発する。シリコンへ注入される電子数のシリコン酸化膜厚さ依存性を解明し、発光の高効率電子注入を明らかにする。また、高効率発光デバイスの開発を行う。特に、発光のメカニズムを解明するとともに、高効率で発光するデバイスの構造を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究計画調書に、今年度の設備備品費としてマイクロプローバーの費用を記載した。研究の進行状況に応じて、デバイスを移動させずにエレクトロルミネッセンスとフォトルミネッセンスを測定するために、今年度は試料移動ステージとレーザー光をデバイスに照射する光学系部品の費用に研究費を使用した。試料移動ステージと光学系部品の費用はマイクロプローバーより少ないため、主に費用の差に相当する次年度使用予定の研究費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
エレクトロルミネッセンス特性をより高精度で測定するために、光学系部品の費用に使用できる。
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Remarks |
大阪大学工学研究科先端機器システム領域ホームページ http://www-pm.prec.eng.osaka-u.ac.jp
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Research Products
(1 results)