2016 Fiscal Year Annual Research Report
Precise Control of Nickelidation Process of Si Nanowires Utilizing Computational Physics
Project/Area Number |
26630135
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邉 孝信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00367153)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 半導体超微細化 / 電子デバイス・機器 / ナノコンタクト / 計算物理 / 電子・電気材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に発見した、Arイオン照射および熱処理をSiナノワイヤに施すことによりNi化反応が均一化した現象について、その原因をラマン分光法を用いて詳しく調査した。Arイオン照射によりSi結晶のラマンシフトのピーク幅が減少すること、さらにArイオン照射後の熱処理によりラマンシフトが低周波数側に移動することを見出した。このことから、Arイオン照射によりSiO2/Si界面近傍など歪を帯びた箇所の格子が乱れ、Siナノワイヤ全体としてはむしろ結晶性が向上することが判明した。また、その後の熱処理でSiO2/Si界面近傍の欠陥が修復され、Siナノワイヤ全体に引っ張り歪が生じたと考えられる。このことから、SiO2/Si界面近傍の格子の乱れが解消されたことでArイオン照射およびその後の熱処理でNi化反応がSiナノワイヤ断面内で均一化したと考えられる。 また、3次元アトムプローブ分析を用いてNi化Siナノワイヤ内部の元素マッピングの取得を試みた。NiSi/Si界面部分のサンプリングには至らなかったものの、Ni化領域の正確な組成や不純物原子分布の詳細が明らかとなった。Siナノワイヤに元々含まれていたB原子がNiSi領域内にも残存するが、その濃度はNiSi/Si界面に近づくほど増大していることが判明した。また、Ni化Siナノワイヤを覆うSiO2領域でもNiSi/Si界面近傍でB原子濃度が増大していることが確認された。このことから、Ni化反応時にB原子が一種の雪き効果で濃縮され、一部がNiSi領域やSiO2領域に残存していると解釈できる。NiSi/Si界面付近の不純物濃度分布はコンタクト抵抗を支配する重要なファクターあり、ナノコンタクトの電気特性向上に向けて原子レベルの重要な知見と言える。
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Research Products
(5 results)