2015 Fiscal Year Annual Research Report
直接検波光受信器を用いたストークスベクトル変復調方式の研究
Project/Area Number |
26630146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 和朗 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50134458)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 先端的通信 / フォトニックネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
偏波多重(DP)技術はディジタルコヒーレント光ファイバ通信システムに導入され,4相位相変調(QPSK)方式とあわせて1波長あたり100 Gbit/sの伝送速度が達成された。ディジタルコヒーレント光受信器を用いれば,偏波多重信号の位相情報を抽出できるので,ディジタル領域での偏波制御が可能となる。一方,我々は最近,強度変調・直接検波(IM・DD)方式でも,ディジタル信号処理(DSP)による偏波多重分離が可能であることを示した。この受信器は,信号光の偏波状態(SOP)を測定する光回路であるストークスアナライザとディジタル信号処理回路からなる。測定されたストークスベクトルをディジタル信号処理することにより,信号光の偏波変動を追尾しつつ,偏波多重分離を行うことができる。
今年度はこの方式を拡張し,任意の多値光強度変調(PAM)に適用可能な偏波状態追尾および偏波多重分離アルゴリズムを提案した。次に計算機シミュレーションにより,偏波多重・4相強度変調(DP-PAM4)信号の符号誤り率(BER)を評価し,提案するアルゴリズムの有効性を示した。すなわち,受信感度,分散耐力,SOP変動耐力,SOP捕捉のためのロックレンジなどに関し,詳細な理論検討をおこなった。DP-PAM4信号を用いれば,シンボルレート25 Gbaudで100 Gbit/sの伝送容量を達成できるので,100 Gbit/s イーサーネットのための有効な技術となると考えられる。
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