2014 Fiscal Year Research-status Report
反射電磁波との共鳴現象を用いた周波数ΔΣ変調方式変位/振動センサ
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26630154
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
前澤 宏一 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (90301217)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 変位センサ / 振動センサ / ΔΣ変調 / FM信号 / 共鳴トンネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、対象物からの反射波との共鳴状態を作るマイクロ波/ミリ波帯発振器を用い、新しい原理に基づく変位/振動センサを実現することにある。この方式は、対象物の位置変位を共鳴によって得られた周波数の変化としてΔΣ変調方式で取り込むため、広周波数帯域、高分解能、高ダイナミックレンジが期待できる。この実現のため、広帯域で発振可能な負性抵抗素子と、広帯域アンテナを集積する。本センサは、これまでの多くの変位/振動センサよりも高い性能をオンチップで実現できる。 本年度はその第一段階として、周囲への電磁界の拡散のない、空洞共振器を用いた実験を行った。空洞共振器の一端を可動金属薄膜で閉じ、もう一端ではスロットを通してHEMTを用いた負性抵抗回路と結合させた。これにより、約10GHzの発振が生じることを確認した。次に、この可動金属薄膜に音響波を照射、振動させ、周波数変調信号を取り出した。出力された周波数変調信号をストレージオシロスコープでサンプリングし、コンピュータを用いてデジタル処理を行った。FFTを行い、ΔΣ変調の特徴であるノイズシェーピングが正しく行われていることを確認した。また、その際、位相雑音によると思われるノイズフロアを観測した。これを受けて、ノイズフロアのSNRに対する影響、その軽減法について検討を進めた。まず、クロックの位相雑音が結果に与える影響を検討し、これをキャンセルする方法を編み出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空洞共振器による実験を行い、原理確認ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
自由空間においてマイクロ波共鳴を生じさせるためのアンテナ構造の検討を行い、実験的検証を目指す。また、本技術による変位センサのダイナミックレンジ、SNRの上限を決める位相ノイズによる影響を低減するための検討を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品等の購入において若干の端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品等の購入に充当する。
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