2014 Fiscal Year Research-status Report
Aβ異常化疾患簡易診断のための標識フリー集積チップ指向リポソーム物理センサ
Project/Area Number |
26630157
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
野田 実 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20294168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 寿徳 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (10335383)
松岡 照之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40636544)
山下 馨 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40263230)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | センシングデバイス / バイオセンサ / アミロイドベータ / 簡易診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体細胞(脳細胞)上でのアミロイドベータ(Aβ)蛋白質の異常化凝集・線維伸長現象を、人工細胞膜(脂質膜リポソーム)上で模倣して同Aβを凝集、伸長させ検出するリポソームセンサのアルツハイマー病(AD)早期簡易診断への適用可能性を検討する。1)候補センサ技術(熱化学反応センサ、誘電分散解析センサ)を高感度化(目標Aβ濃度50-200 nM検出)し、Aβ検出時同出力の基本的スペクトル特性を詳細に解明:誘電分散解析センサにて、ヒト標準血清中Aβ濃度1000 nM検出まで確認できた。熱化学反応センサは高感度酸化物薄膜VOx 作製用スパッタ装置構成を進めた。2)バイオ技術:Aβオリゴマー検出用リポソームの検討:検討中、3)上記1)、2)で高感度化されたセンサを用いて、各重症度のアルツハイマー病患者血液でのアルツハイマー病Aβマーカーとなるセンサ信号の抽出と選択を、従来の実績ある臨床医学研究結果と比較:1)の結果が出たため、アルツハイマー病患者生体液使用許可を得るべく研究分担者機関にて倫理委員会審議中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.リポソームセンサAβ検出高感度化の研究 A.熱化学反応センサ - マイクロボロメータ(MB:MicroBolometer):(目標)2桁感度向上、Ⅰ.センシング原理面(野田、山下)・センサデバイス新構造化による感度向上 ①ボロメータ材料抵抗温度係数向上、同材料として非常に有望な酸化物材料VOx 薄膜化のため、スパッタ製膜装置の製膜プロセス制御性向上設備導入を進めた。②熱絶縁性向上は未着手。③液滴保持強度向上は未着手。B.誘電分散解析センサ:(目標)1-2桁感度向上、Ⅰ.センシング原理面(野田、山下)、Ⅱ.センサエレクトロニクス向上面(野田、山下)・センサ要素による感度向上:①プローブ開口面の表面状態が検出特性に与える効果、影響、高周波測定時短絡校正特性の安定化を検討し、低ノイズ化が図れ、誘電スペクトル特性を検出安定化できた。その結果、ヒト標準血清中にてAβ濃度1000 nMまで低濃度検出性を確認できた。C.バイオ技術:Aβオリゴマー検出用リポソームの検討、・リポソームセンシング分子としての高感度化(島内、馬越、野田)は未着手。2.AD患者血液を最終ターゲットとして使用、評価する臨床医学的研究(松岡、成本、野田)は未着手。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度から進めている各特性目標実現を図っていく。その中でも本研究期間内に実現性がより高く重要性が認識される事項を優先的、有機的に進める。1.リポソームセンサAβ検出高感度化の研究 A.熱化学反応センサ - マイクロボロメータ(MB:MicroBolometer)については、目標の感度2桁向上の本質的技術になる検知材料薄膜特性を得て熱化学センサ特性を確認する。B.誘電分散解析センサについては、現状性能でヒト標準血清中にてAβ濃度1000 nMまで低濃度検出でき、目標の200 nM検出のため1桁感度向上を実現する。そのためのⅡ.センサエレクトロニクス向上面(野田、山下)・センサ要素による感度向上:①プローブ開口面の表面状態が検出特性に与える効果、影響を優先的に検討、開発する。C.バイオ技術:Aβオリゴマー検出用リポソームの検討 ・リポソームセンシング分子としての高感度化(島内、馬越、野田)については、各脂質種リポソームでの測定データベースを増強し、それら相互の関係性から低濃度Aβ検出のマーカー可能性を検討、抽出を行う。ELISA測定結果との相関検討も行いたい。2.AD患者血液を最終ターゲットとして使用、評価する臨床医学的研究 (松岡、成本、野田)については、現在倫理審査中の患者生体液での本センサ測定結果と研究分担者である医学研究者側の各臨床医学評価結果とで定量性相関性が得られるのかを調べ、本センサ技術の臨床医学適用性について考察を進める。
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Causes of Carryover |
各研究者とも主な必要消耗品の数量が年度内は足りたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者は主に化学薬品関係の消耗品を購入する計画である。
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Research Products
(37 results)