2015 Fiscal Year Research-status Report
コンタクトエピタキシャル法を用いたシリコンフォトニクス用光アイソレータの研究
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26630166
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中津原 克己 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (70339894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水本 哲弥 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (00174045)
野毛 悟 沼津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (10221483)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光アイソレータ / 磁気光学効果 / 異種材料 / 光導波路 / シリコンフォトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の2年目である平成27年度はシリコン導波路上に形成した磁気光学ガーネット材料イットリウム(Y)の一部をセリウム(Ce)に置換したセリウム置換イットリウム鉄ガーネットYIG(Ce:YIG)の特性評価技術の確立を行った。SOI(Silicon on Insulator)ウェハ上に製作した導波路型非対称マッハツェンダー干渉計内に、スパッタリングによりクラッド層としてCe:YIG薄膜を形成したシリコン導波路を組み込み、その特性評価を行った。理論特性とのフィッティングによる解析結果から、成膜後に熱処理をしていないアモルファス状態のCe:YIG装荷シリコン導波路の伝搬損失に対して、コンタクトエピタキシャル法の熱処理を施したCe:YIG装荷シリコン導波路では伝搬損失が低減されるという結果を得た。 また、従来、研究代表者が光スイッチ等のデバイスに用いていたシリコン導波路の製作プロセスでは、450℃以上の熱処理プロセスを経ることで、シリコン導波路自体の伝搬損失が増加するという課題が明らかになった。この課題の要因について、詳細な実験と検討を繰り返し、650℃程度まで伝搬損失の増大を抑制した導波路製作技術ならびに熱処理制御技術の開発を行った。また、マッハツェンダー干渉計シリコン導波路のさらなる低損失化を進め、特性評価の精度向上も図っている。これらと平行して、導波路型光アイソレータの設計、試作及び特性評価を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で実現を目指す導波路型光アイソレータの主要課題であるシリコン導波路上のCe:YIG薄膜へのコンタクトエピタキシャル技術の開発に取り組んでいる。研究過程において、シリコン導波路の製作に用いていた従来プロセスでは、450℃以上の熱処理プロセスを経ることで、シリコン導波路の伝搬損失が増加するという課題が明らかになり、このために検討を要することとなった。考え得る様々な要因について詳細な実験と検証を行い、課題を克服する導波路製作ならびに熱処理制御の技術確立に至った。引き続き、熱処理前後でのCe:YIG装荷シリコン導波路の特性評価を詳細に進めるとともに、導波路型光アイソレータの設計及び試作、特性評価に取り組み、さらに研究代表者及び研究分担者が密に連絡を取りながら、連携して研究を遂行しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコン導波路上に選択的に形成したCe:YIG薄膜に対して局所的な加熱を行うプロセスを検討し、その特性評価をもとにシリコンフォトニクスに適したコンタクトエピタキシャル法の技術確立を行う。さらに、コンタクトエピタキシャル法を施したCe:YIG薄膜装荷シリコン導波路を用いた干渉導波路型光アイソレータの試作を繰り返し、その動作特性を素子設計にフィードバックしながら、実用に供し得る導波路型光アイソレータならびに導波路型光サーキュレータの実現を目指す。
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