2015 Fiscal Year Research-status Report
複数人を一度に識別可能な効率のよい同定符号の構成法
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26630169
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30136212)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 同定符号 / 誤り訂正符号 / 通信路符号化 / 情報理論 / 多重符号化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
同定符号を用いると，符号長nと受信者数Nに対して，符号化レートR=(log log N)/nが通信路容量より小さいとき，雑音のある通信路を通して，任意に小さい復号誤り確率で，N人の中の一人を同定できる．しかし，同定符号を実現する従来の符号化法では，N人の中から同時にK人の受信者を同定する情報を送りたい場合には，同じ符号化をK回繰り返す必要があった．これに対して，本研究では同時にK人の受信者を同定したい場合でも，一人を同定する従来の符号と漸近的に同じ符号化レートで符号化が可能な同定符号の構成法を与えた．さらに，N人に順位をつけて同定する場合に対する対しても，具体的な符号構成法を与え，漸近的に一人を同定する場合と同じ符号化レートで符号化できることを示した．
具体的には，K人を同時に同定する場合の同定容量（達成可能な符号化レートの最大値）およびK人に順位をつけて一度に同定する場合の同定容量が，共に通常の通信路容量に等しいことを理論的に証明した．また，それら２つの同定符号化に対して，第1種および第2種の復号誤り確率の指数と符号化レートに対して達成可能な領域を理論的に導出した．さらにCommon randomnessやFeedback通信路が利用できる場合の同定符号容量を明らかにした．
これらの成果を，論文としてまとめ，IEEE Transactions on Information Theoryに掲載した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載したように，K人を一度に同定する同定符号およびK人に順位を付けて一度に同定する同定符号に関して，重要な符号化定理を証明し，その成果を論文として，情報理論分野で最も権威のある論文誌（IEEE Transactions on Information Theory）に発表した．
なお，上記の研究の途中で，情報セキュリティと同定符号化を別々に行うよりも，同時に行うことで効率のよい符号化が実現できることに気がついた．そのような同定符号と情報セキュリティ符号の同時符号化を検討するために，研究期間を延長した．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は，同定符号化と情報セキュリティ符号化を同時に行うことで，盗聴者および他の受信者に同定情報を知られることなく，安全に符号化を行う同定符号化法を検討する．
具体的には，平成27年度までの研究で提案した同定符号の符号語の一部を，乱数で撹拌することにより，全ての情報が安全となる符号化効率のよい符号化法を検討し，その安全性能を理論的に評価する予定である．
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| Causes of Carryover |
平成27年度までの研究で，K人を一度に同定する同定符号の符号化定理を明らかにした．その研究の途中で，同定符号と情報セキュリティ符号化を同時に効率よく行うアイデアを得た．その検討を行うため，研究期間を延期し，そのための経費として，60万円を繰り越すこととした．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
同定符号と情報セキュリティ符号化を同時に行う符号化法について検討を行い，その符号の構成法や符号の効率に関して他の研究者と議論することで，より性能のよい符号化を検討する．経費は，これらの研究を行うための，消耗品や旅費等に使用する予定である．
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Research Products
(1 results)
