2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26630174
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山里 敬也 名古屋大学, 教養教育院, 教授 (20252265)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 確率共鳴 / 微弱信号 / sub-threshold signal / 極低電力通信システム |
Outline of Annual Research Achievements |
確率共鳴現象とは、システムへの入力雑音の増大と共にそのシステムの応答が向上する現象である。本研究では、確率共鳴現象の通信への応用を検討した。具体的には、確率共鳴現象を応用することで従来の受信機では感知することすらできない微弱信号(sub-threshold signal)による通信の実現に挑戦した。確率共鳴現象を通信へ応用することで微弱信号(sub-threshold signal)を用いた極低電力通信システムが実現でき、また、エネルギーハーベスティングを利用することでグリーンワイヤレス、グリーンネットワークを実現できる。本研究では、そのための基盤技術の構築を目的とした。
平成27年度は平成26年度の検討を発展させ、より現時的な通信環境を想定し検討を行った。具体的には、平成26年度に構築したスケールモデルを用いて、受信機の感度以下の信号を入力させた場合の通信実験を行った。そのための確率共鳴受信機を試作し、また、その後段に通常受信機(ソフトウェア無線機)をおくことで、より現実的なシステム構成とした。実証実験の結果として、従来受信機では感知すらできない微弱信号であっても、確率共鳴受信機を用いることで受信できることが分かった。この成果は、Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE, vol. 6, no. 4, pp. 520-5332015年10月号に掲載済みである。また、理論的な検討も更にすすめ、その結果は、Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE, 2016年7月号に掲載予定である。
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