2015 Fiscal Year Annual Research Report
新しい電磁界特性の創出:メタサーフェイスによる波形選択性
Project/Area Number |
26630175
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
若土 弘樹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00725278)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気電子工学 / 電磁波・電波 / メタマテリアル・メタサーフェス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における目的は近年研究代表者らによって開発された新規電磁界特性「波形選択性」を拡張することにあった。具体的に先行研究として実施された非線形電波吸収体の開発(参考文献:Wakatsuchi et al., Phys. Rev. Lett., 111, 245501, 2013)では人工周期構造メタサーフェス(metasurface)にダイオード、キャパシタ、抵抗といった回路素子を統合することで同一周波数でも短いパルス幅電波(ショート・パルス)を吸収し、長いパルス幅電波(ロング・パルス)を透過する波形選択性を開発した(なお、電子機器の動作に影響を及ぼす高強度電波はインパルスなどのように一般にショート・パルスとなる)。本研究ではこれとは反対にロング・パルスを吸収し、ショート・パルスを透過する波形選択性や、中間に位置する任意パルスのみを透過または吸収する波形選択性を開発することで、波形選択性の原理構築を目指した。 実際に研究を実施したところ、当初の予定を大きく上回る進展となったため、これらの波形選択性は全て研究計画の1年目において実現され、本研究目標は全て達成された。そこで、追加検討課題として、2年目には波形選択性の新規性を物理的な観点から実証するため、波形選択性の定式化を目指した。具体的に得られた知見としては、波形選択性を得るために用いられる回路素子のパラメータと波形選択性の時間領域応答との関係性が明らかにされたことが挙げられ、本研究成果は今後論文誌や学会等で発表予定である。
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