Massive MIMOによる伝搬路制御型ビームフォーミング

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26630177
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 村田 英一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60252475)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 無線通信方式 / ドップラー広がり / 伝搬路変動 / ビームフォーミング / 高周波数 / アレイアンテナ / 適応制御 / Massive MIMO

Outline of Annual Research Achievements

研究が活発化しつつあるMassive MIMO(Large Scale MIMO)では，数十から数百の基地局アンテナによって自由度の高いビーム形成が可能となる．このことを活用して伝搬経路を制御することにより伝送特性を改善することに取り組むことが本研究の目的である．
チャネル状態のフィードバック遅延等が避けられないため，近年の瞬時伝搬路状態に適応した伝送技術は伝搬路変化に脆弱であることが知られている．本研究では，伝搬経路を把握し移動体の受信アンテナへの入射方向を制約する基地局送信ビームフォーミングを行うことにより，アンテナに入射する信号のドップラー周波数の広がりを抑え伝搬路変化を緩やかとし，移動時であっても高精度な伝送制御を可能とすることに取り組む．
初年度である平成26年度では，建物データを用いた伝搬路計算の準備を行い，それに基づくビーム形成によるドップラー広がり低減効果について検討を行った．なお，これら計算の高速化ならびに最適化は平成27年度に取り組むこととしており，今年度は主に以下の2点について取り組んだ．
1）レイラウンチングによる伝搬路計算について，すでに独自に開発済みの3Dレイラウンチングによる伝搬路計算プログラムの改修を行った．続いて，最新の計算機環境において動作を確認した．
2）伝搬路構造を利用したドップラー広がりの低減技術について，その有用性について詳細に検討を行った．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は基礎検討として位置づけており，基礎検討を行うことができたため．

Strategy for Future Research Activity

・ドップラー変動までもレイラウンチングによって生成するために，波長の数十分の一（1cm以下）単位の伝搬路計算を行い平成26年度の結果と比較検討を行う．この結果に基づいて本研究に適した計算区間長を設定する．
・最大反射・回折回数を拡大する