2014 Fiscal Year Research-status Report
バイブロドップラ超解像イメージング技術の創出と原理検証
Project/Area Number |
26630179
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
三輪 空司 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (30313414)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 超解像 / イメージング / ドップラ計測 / 加振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は理論的な分解能を超える超解像技術において、対象を振動させ、その振動によるドップラー成分の複素振幅を計測しながら画像化を行うことにより、空間分解能を向上させる、全く新たな原理によるバイブロドップライメージング法の原理を確立することにある。本年度の実施計画として、3つの要素技術について検討を行っている。 ①ステップ周波数連続波バイブロドップラ計測システムの開発においては、従来法のパルスシステムによる計測装置の煩雑化やドップラ周波数成分を任意に選べないといった問題点を克服するためにネットワークアナライザをベースとしたドップラ計測システムを開発した。ネットワークアナライザは単一周波数での、振幅、位相応答を高精度に計測でき、数10Hzの狭帯域幅での測定が可能である。一方、数100Hzのドップラを計測するためには、発振周波数を加振周波数分だけ周波数変調させ、加振による復調効果により、対象のドップラ成分の応答を発振周波数成分に戻して計測可能な外部変調装置を新たに開発に成功し、任意の加振周波数によるドップライメージングを可能とした。 ②一次元バイブロドップラ超解像イメージング法の実施においては、加振により計測対象表面に振動が起こり、そのドップラを計測することにより、本計測法が空間変調を実現できることを実験的に確認できた。また、寒天内部に埋め込まれた線状物体のイメージングにおいて、超解像バイブロドップライメージングにより空間分解能が向上することを確認できた。 ③アルゴリズムのロバスト性においては、新たに無数の超音波散乱体が存在するときのバイブロドップライメージングによる応答をシミュレーション可能なソフトウエアを開発し、ロバスト性の検討を行った。一方、空間変調効果が対象表面の傾斜に依存することも明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①については、ダイナミックレンジに問題はあるものの実証実験には十分な信号帯雑音比をもつイメージが計測できるシステムが開発できたため、十分な達成度があったと考えられる。一方、計測時間がかかることや、ドップラ信号の信号対雑音比が20dB程度と悪く、今後の課題となる。 ②では、加振波伝搬方向に1次元的に超音波トランスデューサをスキャンし、バイブロドップライメージングを行い、孤立物体の超解像イメージングにおいて、PSFにより定まる分解能を超えたイメージが取得できることが実験的に確認でき、原理検証は行えた。これにより、十分に目的を達成できたといえる。 ③についても実験状況をある程度模擬できるシミュレーションソフトウエアを開発でき、実験において空間変調の際に理論的な応答に合わない原因が、表面の傾斜によることを実証するなど、問題点の発見にも利用できた。このため、十分に目的を達成出来たと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
①、②についてはより高ダイナミックレンジな計測システムの開発を引き続き行い、当初計画どうり、2次元的に超解像度を行う手法についてスキャニングシステム、加振法の検討を行う。③についても数値計算により最適合成法の理論検討を行っていく。また、この研究の過程において、新たな加振超解像イメージングの原理も創出できた。今後これらの研究も随時行っていきたい。
|
Causes of Carryover |
予定していた物品の購入や出張を行ったところ、わずかな残額が生じたため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額なため、文具等の消耗品の購入に充てる予定である
|
Research Products
(1 results)