非線形最適制御問題に対する決定的な大域的最適化法の開発

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26630194
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 土屋 武司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50358462)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 最適制御 / 大域的最適化

Outline of Annual Research Achievements

状態方程式と評価関数が状態変数と制御変数の多項式で表される非線形最適制御問題（多項式最適制御問題）を，半正定値計画緩和によって緩和問題に変換して解く大域的最適化法を研究した．すなわち，多項式最適制御問題の双対問題への変換，随伴変数の多項式近似，非負多項式の２乗和多項式表現，双対問題への再変換による緩和問題（緩和最適制御問題）の導入について，とくに理論的側面から研究を行った．この緩和最適制御問題は元の多項式最適制御問題に自明な制約条件を加え，半正定値計画緩和して得られた問題でもあることも判明している．また，この緩和問題は唯一の大域的最適解を持ち，緩和度に応じて元の最適制御問題の大域的最適解の近似解が得られることが分かっている．とくに適用可能な最適制御問題の厳密な定義と，提案しようとする最適化法の理論面の研究を中心に行った．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目標であった有理多項式関数を持つ最適制御問題に対する決定的な大域的最適化法に関する研究に関して，半正定値計画緩和法に基づく方法を計画通りに実施することができた．

Strategy for Future Research Activity

いくつかの代表的な最適制御問題をテスト問題として解きつつ提案解法の有効性を確認する．また，解法の適用範囲を一般的な最適制御問題に広げる研究を行う．

Causes of Carryover

大きな支出を必要としない理論的研究に多くの時間を割くことになったため．

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究成果の発表，提案解法検証用の計算機を取得する計画である．