2015 Fiscal Year Research-status Report
超離散反応拡散モデルを用いた自己駆動個体群の集団現象の解析と設計
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26630196
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 茂 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (70220465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モデル同定 / セルオートマトン |
Outline of Annual Research Achievements |
個体間の相互作用や個体の移動が調整可能な個体群に見られる反応拡散現象を集団現象と呼び,この集団現象を表現するセルオートマトンを求める手法やセルオートマトンを用いて集団現象を制御する手法を開発することが目的である.特に,渋滞現象に着目した「相転移制御問題」と集団の生成と消滅に着目した「空間生態制御問題」を中心に取り組む. セルオートマトンは時間と空間と状態が離散化された動的現象を記述できるが,社会システムの渋滞現象や生物の被食・捕食などを観測されたとおりの特徴を表現できるセルオートマトンを自動的に求める手法はこれまで十分に考察されていなかった.本年度は前年度までに得られている予備結果を発展させる課題に取り組んだ.得られた成果は次のとおりである. ①セルオートマトンの状態遷移関数をmax, min演算を用いて記述するとき,その状態遷移関数をl1ノルム最適化に基づいて求める方法を導出した.この方法を交通流を表現する離散的な時系列データに適用し,得られたセルオートマトンモデルの逆超離散化とよく知られているバーガーズセルオートマトンモデルの逆超離散化とが同種の微分方程式を導くことを示した. ②拡張バーガーズセルオートマトンモデルを用いて,渋滞を抑制する新たな制御手法を導出した. ③捕食者・被食者のダイナミクスを表現する連続状態連続時間モデルとして知られるロトカボルテラ方程式系を真のシステムとして定め,その状態の時間変化を離散化して得られるデータからセルオートマトンモデルと逆超離散化を経て,ロトカボルテラ方程式系の解と同質な解を有する微分方程式が得られることを確認した. ④超小型群ロボットKilobotの動的モデルの同定手法を導出し,そのモデルに基づく制御入力の決定法にしたがって,被捕食の実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超小型群ロボットの故障により,被捕食の実験が当初の予定より遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
セルオートマトンモデルを2次元に拡張するなどして,「相転移制御問題」と「空間生態制御問題」に取り組む.
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Research Products
(4 results)