2016 Fiscal Year Annual Research Report
Equilibrium selection control for games with imperfect information and realization of dynamic mechanism design
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26630199
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小木曽 公尚 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30379549)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | game theory / Bayesian game / control theory / algorithm |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では,意思決定者の利得関数を制御できるという前提のもと,所望の均衡状態を実現するためのフィードバック制御系の構築法に関する研究を進め,その手法を電力の売電価格制御に応用した.この売電価格制御の問題設定では,各売電家の利得関数を説得対話システムを通して制御する仕組みを想定することで,電力の需給ギャップを埋める売電価格が柔軟に調整できることを数値的に示した.また,意思決定者の利得値に不確かさが含まれる場合に用いられるベイジアンゲームモデルを対象に,ベイジアンナッシュ均衡が存在する条件を線形連立方程式の可解条件に帰着させて解析した.この解析結果から,ベイジアンゲームにおけるナッシュ均衡計算手法に動的なシステム表現を利用可能な条件を説明することができた.研究期間全体を通して,意思決定のゲームモデルに対して,均衡計算や所望の均衡を実現する方法に制御理論の枠組みが有用であることを示せた.たとえば,ベイジアンゲームにおける信念情報を均衡情報から推定可能であること,また,所望の均衡を実現する利得値または利得関数の計算に非線形動的システムを用いたアルゴリズムが有用であり,そのアルゴリズムの解析がシステムの安定解析や可制御性に関連することがわかった.今後は,ゲーム理論と制御理論をより一層融合可能であることを示し,ヒトや組織の意思決定過程を制御するための新しい方法論の構築及び体系化を目指していきたい.
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