2014 Fiscal Year Research-status Report
適応信号処理を組み込んだ衝撃弾性波法によるコンクリートの非破壊評価への新たな試み
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26630203
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 敏郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (10224651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 慎哉 立命館大学, 理工学部, 講師 (70543461)
寺澤 広基 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50750246)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 衝撃弾性波法 / 伝達関数 / PCグラウト充填 / 適応ノイズキャンセル処理 / 非破壊評価手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「伝達関数マトリクスモデルに基づく適応ノイズキャンセル処理」のモデル化・理論化を行った。次に「コンクリート構造物対応の適応信号処理欠陥検出システム」の試作を行った。前述の理論化検討に基づき、広帯域一定力の衝撃入力機構、接触式多点検出機構の試作を行った。また、基本モデルとしてPCグラウト充填状況を模擬した供試体を対象に計測を行い、シース内グラウト充填状況の評価を行った。 ①「伝達関数マトリクスモデルに基づく適応ノイズキャンセル処理」の理論化 計測点を2点で構成する基本モデルに基づき、信号、雑音の成分比の異なる計測点間の伝達関数マトリクスを解析し、雑音信号を最大感度で推定できるよう複数点の計測位置の決定方法を検討した。また、雑音(表面波)の伝播特性を考慮し、適応ノイズキャンセルに適用する適応フィルタの最適係数を決定するアルゴリズムを検討し、評価した。 ②「コンクリート構造物対応型の適応信号処理欠陥検出システム」の試作 電磁コイルで複数の鋼球の射出速度を制御する電磁制御衝撃入力機構、複数のセンサ検出機構の試作を行った。また、センサ間の特性のバラツキを自動補正するセンサ補正アルゴリズムを検討した。また、高速ディジタル信号処理ソフトウェアを使用し、複数の検出点において同時検出される時系列波形の伝達関数マトリクス演算を、リアルタイムに処理可能な演算処理システムの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「伝達関数マトリクスモデルに基づく適応ノイズキャンセル処理」のモデル化・理論化、および「コンクリート構造物対応型の適応信号処理欠陥検出システム」の部分試作を行い、供試体実験を実施した。また、実験結果より、本研究にて検討した適応信号処理手法がPCグラウト充填評価に適用可能であることを確認した。尚、H27年度に計画のシース内部の空隙検出評価については、PCグラウト充填評価実験により一部先行してその評価を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、H26年度に試作した「コンクリート構造物対応型の適応信号処理欠陥検出システム」を改良し、①平板構造の微小欠陥の検出性能評価、②シース内部の空隙検出評価への適用を図る計画である。異なる評価対象ごとに検出性能を最適化するため、電磁制御衝撃入力機構の改良を実施するとともに、複数のセンサ検出機構の配置方法を調査し、検出性能の向上を図る。また、「伝達関数マトリクスモデルに基づく適応ノイズキャンセル処理」アルゴリズムのパラメータ調整を行い、検出性能の向上を図る。
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Causes of Carryover |
H26年度は、「コンクリート構造物対応型の適応信号処理欠陥検出システム」の研究において、電磁制御衝撃入力機構の試作を実施したが、PCグラウト充填状況を模擬した供試体実験において改良事項が明確になった。また接触型センサ検出機構を搭載する支持機構の試作、高速ディジタル信号処理アルゴリズムを搭載した高速ディジタル信号処理ユニットの試作を次年度実施する必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改良した電磁制御衝撃入力機構、および接触型センサ検出機構、高速ディジタル信号処理アルゴリズムを搭載した高速ディジタル信号処理ユニットより構成される「コンクリート構造物対応型の適応信号処理欠陥検出システム」を使用し、①平板構造の微小欠陥の検出性能評価、②管路内部の空隙検出評価への適用を図る計画である。
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