2015 Fiscal Year Research-status Report
細孔内自由水の移動によるコンクリート粘性発現機構の解明と支配的空隙スケールの特定
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26630206
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤山 知加子 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (60613495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝渕 利明 法政大学, デザイン工学部, 教授 (60339504)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ひずみ速度依存性 / コンクリート / 凍結 / モルタル / 細孔構造 / 液状水 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度凍結モルタルの載荷実験を3温度帯で実施し,凍結モルタルであってもひずみ速度依存性が発現することを示した.しかし結果のばらつきが大きかったことから,今年度は,試験体の材料配合は統一し,別の温度での実験を実施するとともに,試験体の冷却および保温状態を改善するため,装置の開発を行った.また,試験体の細孔構造を調べるため,水銀圧入試験を実施した.
具体的には,液体窒素,ドライアイス,氷水による試験体冷却を行った.温度はそれぞれおよそ-197,-72,0℃程度である.この際,試験体に冷却媒体が直接触れるのを避けるため,銅板を用いた間接冷却装置を作成し,冷却を実施した. また,保温装置は,冷却溶媒の容器の中に試験体を設置して溶媒をためておく貯留型と,パイプ状の装置を試験体にまきつけて溶媒を流す流動型の2種類を作成した.溶媒として使用した液体窒素の管理の容易さと,載荷時の試験体の変形に伴い拘束を生じさせないことを条件として両者で予備実験を行った結果,流動型を採用することを決定した. これらの装置を用いてひずみ速度依存特性を調べる高速および低速の載荷試験を実施し,試験結果のばらつき(変動係数)は昨年度よりも減らすことができた.その結果,やはり当初の仮定に反して,モルタル試験体中の液状水が凍結した場合でも,ひずみ速度依存性は顕著に表れることを確認した.ただし,ひずみ速度依存性の発現程度と,冷却温度との間には,一義的な関係は見いだせなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画より,1年目は問題の把握と課題の抽出のための実験,2年目は実験方法の改善,3年目はデータの蓄積と理論的考察を行う計画であった.そのとおり実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
実験方法を改善したにも関わらず,研究着手当初の予想と異なる実験結果を得ている.今年度は当初の仮定を検証するための方策をあらためて考え直すとともに,なんらかの数値シミュレーションによる検証も取り入れたいと考えている.
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Causes of Carryover |
概ね計画的に研究を執行したが,消費税や値引き等により価格が若干異なるものがあったため,656円という少額が残った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品購入にあてたい.
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Research Products
(2 results)