2015 Fiscal Year Research-status Report
著しく腐食劣化した無塗装耐候性鋼橋に対する腐食停留技術の開発
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26630213
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貝沼 重信 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00262874)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鋼構造物 / 耐候性鋼 / 防食 / 犠牲陽極 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度については,申請者が考案した大気中犠牲陽極技術の1)腐食停留作用の検証,2)多孔質焼結板と繊維シートの新材料開発,および3)犠牲陽極作用で消耗させた陽極板の機械的性質の評価,を行った.以下にこれらの概要を示す. 1)多孔質焼結板と繊維シートの材料劣化の把握 平成26年度に行った多孔質焼結板の電位・腐食電流・吸水排水を検討することによる材料開発,および繊維シートの吸水・排水の特性評価による開発,により選定した多孔質板と繊維シートの材料劣化を促進劣化試験を実施することで明らかにした.また,この結果に基づき,材料劣化が腐食停留効果に及ぼす影響を明らかにした. 2)様々な腐食環境における腐食停留作用の検証 腐食促進試験および大気暴露試験(4地点(沖縄:2地点,福岡:2地点))に基づき,飛来海塩や降雨の有無が腐食停留作用に及ぼす影響を明らかにした.また,腐食環境モニタリングを腐食環境と腐食停留作用の相関を明らかにした.この腐食試験結果と申請者が確立した腐食環境評価手法に基づき,様々な大気環境に対応する多孔質板と繊維シートを開発した. 3)犠牲陽極作用で消耗させた陽極板の機械的性質の評価 消耗・劣化させた犠牲陽極材の引張試験を実施した.この試験結果から,鋳造材の消耗量が増加するにともない,陽極材の引張強度は低下することを明らかにした.また,引張応力と総電気量には,傾き1/1200の線形関係があること,鋳造材の引張強度は,約300C/cm2の消耗量で約10%低下することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大気中犠牲陽極技術を実構造物で実用化するための,主要な基礎研究をほぼ終えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
大気中犠牲陽極技術を実構造物で実用化するために,実構造物モデル試験体を大気暴露試験することで本技術の防食効果の検証を行う予定である.
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Causes of Carryover |
平成27年度に実施した本技術の基礎研究が予定より早く終了し,良好な結果が得られ,本技術の実構造物における検証試験を実施する費用が平成28年度に必要になったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本技術を実構造物に適用する際の課題点を抽出するための検証試験の費用の一部として用いる.
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Research Products
(2 results)