2014 Fiscal Year Research-status Report
単一超音波センサを用いた浮遊砂濃度・粒径情報の同時推定の試み
Project/Area Number |
26630225
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40303911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 国際協力センター, 教授 (30314090)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 超音波パルス波 / 粒径 / 周波数スペクトル / 中心周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,広帯域での周波数情報を備え,多様な粒子サイズに対応可能と考えられるパルス波を送波信号に用いることで,その周波数特性の変化から濃度推定に必要不可欠な粒径情報を推定することを試みた. まず,比較的粒径形状が揃ったガラスビーズを用いて反射エコーデータの取得を行ったところ,粒径の違いによって受波データ(反射エコー)の周波数スペクトル分布に変化が生じることが確認できた.また,周波数スペクト分布から中心周波数を求め,試料の中央粒径との関係を調べたところ,両者の間に強い線形関係が確認でき,超音波パルスによる粒径情報の取得可能性が示され,中央粒径の推定式も得られた. 続いて,ガラスビーズおよび砂粒子を用いて,疑似浮遊状態における粒径情報の推定を試みた.ガラスビーズを用いたケースでは,高濃度な条件において比較的妥当な推定結果が得られたものの,低濃度な条件では十分な結果が得られなかった.砂粒子を用いたケースでは,全般的に粒径を過大評価する結果となった. 粒径の推定精度としては不十分なものの,本研究により超音波パルスによる粒径情報の取得可能性が示されことは,今後,粒径情報の時間変化の追跡,さらには濃度と粒径情報の同時推定,濃度推定精度の向上に繋がる結果が得られたものと考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に使用するパルス波の改良およびパルス波を用いた粒径情報の取得する目的に対して,今年度は改良に必要な周辺パーツの入手に時間を要したため,具体的な改良にまでは至らなかったが,次年度の改良に向けた準備は行えた.また,本手法による粒径情報の取得可能性については,実験条件によっては定量的な評価も可能であることを示すことができた. したがって,おおむね順調に進展していると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に準備した計測に使用するパルス波の改良を早々に実施し,その性能評価を行うとともに,混合粒径試料を対象とした計測方法を確立するために,計測・分析に使用する周波数帯の分割方法を検討する.また,分割された粒径群の濃度評価方法を検討する.
|
Causes of Carryover |
計画していた実験機器の改良のための周辺パーツの入手に時間がかかり,予定していた実験を十分に実施することができかったため.また,実際に入手した改良用パーツや実験用消耗品が予定よりも安価であったため,次年度使用額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の大部分は翌年度請求分と合わせて,当初の予定通り,実験やデータ解析に必要な消耗品類の購入(物品費)に充てる予定である.また,実験実施に必要となる実験補助者の人件費,実験用装置作成のための役務費(その他経費)での使用を見込んでいる.
|