2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模災害に備えた支援物資のマッチングシステムの開発
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26630235
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福本 潤也 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30323447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害ロジスティクス / 義援物資 / マッチングシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大規模災害時に被災地に大量に届けられる義援物資を効率的に管理するためのマッチングシステムを提案する. 平成26年度は以下の2つの課題に取り組んだ.第一に,マッチングシステムのプロトタイプをWEBシステム上に実装した.物資提供者と物資供給者は事前にシステム利用の登録を行なう必要があり,登録後に提供可能物資や必要物資に関する情報を入力することができる.物資情報の入力にあたっては,日本標準商品分類の分類コードから選択する方法(標準的な災害義援物資の場合)と,手入力で物資情報を入力する方法(非標準的な災害義援物資の場合)の二種類があり,被災者の多様なニーズに対応可能なインターフェースとなっている.入力情報に基づいてマッチングを行う方式としては,標準的な義援物資の場合には一定期間後に需要と供給を別途開発した数理アルゴリズムに基づいてマッチングする板寄せ方式を,非標準的な義援物資の場合には登録された物資情報画面で利用者が選択した瞬間にマッチングするザラバ方式を採用した. 第二に,上記の板寄せ方式に対応するマッチングアルゴリズムを改良した.既存の数理アルゴリズムでは車両の離散性を考慮しない数理計画問題(線形計画問題)として定式化しており,車両やドライバーの利用制約を考慮した配送計画策定が困難であり,物資の輸送費用も過小推計される問題があった.この問題に対処するため,車両の離散性を考慮した数理計画問題(混合整数計画問題)として定式化し,定式化した問題を解くためのアルゴリズムを実装した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
WEBシステム上でのマッチングシステムの実装は平成27年度を予定していたが,平成26年度のうちにプロトタイプの実装まで終了した.そのため.当初の計画以上に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は以下の2つの課題に取り組む.第一に,WEB上に実装したマッチングシステムのインターフェース部分を改良する.具体的には,平成26年度に開発した車両配送計画を考慮したマッチングアルゴリズムに対応したインターフェースを開発する.第二に,マッチングシステムの実装に向けた課題として考えられる参加資格の設定と参加者間の費用配分の問題について分析する.参加者間の費用配分を物資のマッチングや車両配送計画と同時に決定できるアルゴリズムを開発する.さらに,開発したアルゴリズムを用いて数値実験を行ない,災害ロジスティクスの効率化という観点から,マッチングシステムへの参加資格の設定問題について分析する.
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Causes of Carryover |
当初,平成27年度に構築することを予定していたマッチングシステムのWEB上への実装を平成26年度に専門業者に一部委託して実施することになった.システム開発費用やメンテナンス費用の見込み額について不確定な部分があり,300,000円の前倒し請求を行なったところ,業者に対する委託費用との差額分が次年度使用額として残った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度は直接経費を全て専門業者への委託費用に充当したため,他の使徒に支出することができなかった.平成27年度は当初予定していた物品費の購入と研究成果を発表するための旅費に充てる計画である.
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Research Products
(1 results)