2014 Fiscal Year Research-status Report
高精度位置情報を使ったナビのためのデジタル道路地図のあり方
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26630240
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三輪 富生 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (60422763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
山本 俊行 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (80273465)
佐藤 仁美 名古屋大学, 未来社会創造機構, 講師 (00509193)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高度交通システム / 交通計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,対象とする車両の高精度位置情報のみが得られる状況を想定して分析を行った.具体的には,ある道路上を走行し車線変更を必要とする車両を想定し,その車両への車線変更指示タイミングの最適化方法を検討した.さらに,最適な車線変更指示タイミングを出力する数理モデル構築した. モデル構築にあたって設定した仮定は次のとおりである.道路管理者は,道路網上を走行する車両のうちごく一部のみの車両しか高精度位置情報が確認できず,周辺車両の正確な位置はドライバーしか確認できないとしている.また,道路管理者は道路区間流出部の信号現時の変更タイミングは誤差なく把握できているとする.その上で,路側観測機器やプローブカーシステム等から走行車線および変更先車線の交通流率に関する情報を取得し,車線変更指示実施時刻と実際に車線変更が完了する時刻との差を考慮しつつ,旅行時間が最小となる指示時刻を算出するものである.構築した数理モデルでは,走行車線と変更先車線のそれぞれの信号滞留長の長さに応じて,5つのケースに分かれている. さらに,構築した数理モデルの妥当性を確認するため,同一の交通状況を入力値としたミクロシミュレータVISSIMとの比較を行った.数理モデルでは,発進や停止,車線変更時などの加速度変化を考慮していないため,予測される旅行時間に系統的な誤差が生じているが,最適な車線変更指示タイミングは大きな差がなく,その妥当性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高機能カーナビゲーションシステムやリンク単位にとらわれない交通情報生成方法の開発については,一定の成果が得られつつある.しかし,デジタル道路地図の新たな構成についてはさらに検討が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,車線レベルでの走行位置を考慮した経路探索手法を目指しつつ,高精度位置情報が得られる場合でのデジタル道路地図のあり方を検討する予定である.具体的には,実際に収集した準天頂衛星による高精度位置情報を用いて,車線レベルの識別方法を確認するとともに,必要に応じて位置情報の補正方法を検討する.さらに,平成26年度の成果を踏まえつつ,走行する車線やその変更位置を考慮し,旅行時間が小さく,かつ円滑な運転操作が可能な案内経路の探索方法を検討する.これを踏まえて,デジタル道路地図が具備すべき情報やデータ構造について提案を行う.
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