2014 Fiscal Year Research-status Report
大質量比TMDを用いた大規模構造振動エネルギーハーベスティング技術の開拓
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26630256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50324653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TMD / 質量比 / エネルギー / ハーベスティング / 発電 / 制振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では先ず、比較のため、これまで広く用いられてきた、最上階に付加質量を配置した従来のTMD装置を適用した超高層建物に地震動が入力された場合について数値解析シミュレーションを行い、エネルギー吸収量、振動低減効果という両面からの考察を行った。そして、引き続き、本研究で提案している大質量比TMDを用いた超高層建物についても数値解析シミュレーションを行った。ここでは、既に文献で提案されている大質量比TMDの数学的モデルを用いた。通常、大質量比TMDは各層の層間に設置されるため、ここでもそれに倣ったが、超高層建物では振動時に建物がキャンチレバーの曲げのような挙動を示すため、層間変位がほとんど得られず、従来のTMDと比較し、エネルギー吸収量、振動低減効果ともに、期待していた数値を得ることが出来なかった。そこで、この問題を解決するため、既に文献等で提案され、また実際に建設もされている、振動制御装置を超高層建物に対して縦に配置することで、エネルギー消費に必要な十分な変位を確保出来るoutrigger damping systemという構造形態を試みた。振動制御装置として、提案する大質量比TMDを用いて数値解析シミュレーションを行ったところ、上記の従来のTMD、そして層間に設置した大質量比TMDの場合と比べて、エネルギー吸収量、振動低減効果、共に大きな向上が見られた。 なお、吸収したエネルギーにより発電した電力潮流を電気回路内に設置したMOSFETと呼ばれるトランジスタの一種を適切なアルゴリズムで制御することで、発電量、振動低減効果を最適に制御することが出来る。今年度は、本研究で提案する大質量比TMD用に適切なアルゴリズムを組み込むことを目指して、基本的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトタイプの試作を行う予定であったが、基本仕様の検討を行ったのみで、試作には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプの試作を早急に実施する。
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Causes of Carryover |
当初予定していたプロトタイプの試作を行うことができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プロトタイプの試作に利用の予定。
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