2014 Fiscal Year Research-status Report
ユビキタス・センサネットワークによる都市熱環境の高密度モニタリング手法の開発
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26630261
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淺輪 貴史 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (50361796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中大窪 千晶 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30515143)
村上 暁信 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (10313016)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 建築環境・設備 / センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である今年度は、開発対象とする都市熱環境の高密度モニタリングシステムについて、システムの基本的枠組みを設計したうえで、各測定項目の精査、および可視化システムの検討を行った。また、本システムの基本的な測定項目となる微気候および緑視率の多点・移動測定装置の開発を行った。 (1)本研究で主なモニタリング対象とする微気候の測定項目に加え、ランドスケープ・都市計画の視点から環境の価値・質を評価可能な項目を精査し、実用性の面からの緑化空間の評価指標として緑視率を取り上げ、それらの情報を小型装置を用いて計測し、WEB GIS上で可視化するシステムについて提示した。 (2)都市空間における微気候として、気温に加えて、これまで簡易な取得が困難であった長短波放射量(6方位)を小型センサを用いて測定する装置を開発した。これにより、移動に伴うMRTの変化量やMRTの空間分布も算出することが可能となる。精度が確保された従来の長短波放射計との比較を、天空の開けた屋上空間と実際の街路空間を対象に行い、十分な精度が確保されることを確認した。さらに、移動計測に利用するために、今年度は自転車に搭載する方法を提示し、実際の街路空間での計測を行ったうえで、その有用性を確認した。 (3)緑視率測定に関しては、実用的利用を意識し、全天球カメラと携帯端末を用いて取得した魚眼写真(RGB情報)と位置情報から、自動的に地点の緑視率を算出するシステムを開発した。そして、実際の街路空間を対象に、多点での緑視率を取得した。 (4)上記の移動計測装置を、多点・定点での測定に利用できるように装置を改良し、移動計測と同様に屋外にて問題なく利用できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画をしていた研究項目に関しては、大幅な変更なく進展をしている。 当初の計画以上の成果が得られた項目として、長短波放射計の開発があげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画については変更なく推進してゆく方針であり、特に今年度装置開発をした微気候等の計測結果を、センサネットワークを駆使してWEB GIS上に可視化するシステムを開発し、実用的利用に供するべく研究を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、研究の一部に、移動計測装置や携帯端末と連動したセンサとアプリケーションの開発を盛り込んでいたが、研究を進める中で、そのアプリケーション開発は、次年度予定しているWEB GISによる可視化システムと連係して行うことが有効と考えたため、次年度に実施することとした。そのために、次年度の使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のWEB GISと連係したアプリケーション開発において使用する計画である。
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