2014 Fiscal Year Research-status Report
海風の卓越する大都市における「風の道」の創出に関する研究
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26630267
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
森山 正和 摂南大学, 理工学部, 教授 (70047405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲地 秀介 摂南大学, 理工学部, 准教授 (50612313)
榊 愛(石川愛) 摂南大学, 理工学部, 講師 (60581311)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市環境 / 風の道 / 海風 / 弱風 / ヒートアイランド / CFD / 実測調査 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
弱風域の事例として大阪都心部にある「東横堀川河岸公園」を取り上げ、主として2012年8月に実測調査したデータの解析を行った。東横堀川河岸公園はその周囲の状況から風環境評価のよくない公園であるが、公園内の熱環境評価では、公園の一角にある緑陰の効果が際立っていた。CFDシミュレーションの結果では風上側の建物群が弱風域形成の主原因であり、上部にある高速道路は地上付近まではあまり影響を及ぼしていないようであった。 「風の道」の創出に関する事例研究では、資料の収集と整理を行ったがそれほど多くはないため、今後も継続することとした。また、「東横堀川河岸公園」の検討では建物により形成される弱風域に対して風を誘導するガイドベーン状の構造物についても検討をはじめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)市街地内の弱風域の調査・解析 弱風域として大阪都心部にある「東横堀川河岸公園」を取り上げ、主として2012年8月に実測調査したデータの解析を行った。東横堀川河岸公園は南北方向に細長い敷地にあり両岸を5階建て前後の建物が立ち並び川の上部には高架道路が走っていると言った風環境評価のよくない公園である。公園内の熱環境評価では、公園の一角にある緑陰の効果が際立っている。CFDシミュレーションの結果では弱風域形成の主原因は風上側の建物群であり、上部にある高架道路は地上付近まではあまり影響を及ぼしていないようであった。 (2)「風の道」の創出に関する事例研究 風の道の創出に関する事例研究を資料として収集したがそれほど多くはないため今後も継続する。また、上記(1)に述べた東横堀川河岸公園の検討で、隣接する建物により形成される弱風域に対して風を誘導するガイドベーン状の構造物について検討をはじめた。
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Strategy for Future Research Activity |
「風の道」創出による弱風環境の改善案に関する研究を行う。 (1)一般的な市街地形態の単純な幾何学形状の各種建物モデルによる改善案の検討を行う。現在、ドライアイスの冷気で作成した弱風(冷気流)を使用した模型実験、及びCFDによる検討を計画している。その結果から弱風環境改善のための建物形態や建物配置の提案を目指したいと考えている。 (2)上記「現在までの達成度」に述べた「東横堀川河岸公園」及びその周辺の市街地を対象に具体的な市街地における「弱風環境の改善案」を検討する。必要に応じて実測調査及びCFDモデルによる計算を行い、魅力的な水辺のある市街地空間として再開発するための基礎資料となることを目指す。
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Causes of Carryover |
購入した風速計及び消耗品が予定より下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに購入予定の風速計及び消耗品の一部にあてる予定。
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