2014 Fiscal Year Research-status Report
インフラの再定義と社会的・工学的効果のみえる化ー持続社会設計学の構築を目指してー
Project/Area Number |
26630275
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 寿一 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20191265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 玉平 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243915)
藤谷 秀雄 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10344011)
井料 隆雅 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10362758)
喜多 秀行 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50135521)
小池 淳司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60262747)
芥川 真一 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70231850)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | インフラ / サステイナビリティ / レジリエンシー / 国土 / 震災復興 / 見える化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、研究グループ全体として、(1)学内における研究体制の強化、(2)次世代インフラの理論フレームの設定、(3)国際的研究拠点の形成むけた準備を目標に研究を行い、あわせて分担テーマに関する個人研究を進めた。 具体的には、(1)に関連して、神戸大学の自然科学系大学院の横断組織である研究環(部局)の重点研究チームと今回科研チームとの連携を図り、「次世代インフラ融合研究チーム」を組織し、その研究フレームを検討・構築した。(2)については、「次世代インフラ融合研究」の新規研究分野の開拓にむけて、研究フレームとそれを構成する分担テーマを設定した。その内容は神戸大学自然科学系の大学院生を対象とする授業(「先端融合科学特論III」)において講義した。(3)については、次世代インフラ融合研究(科研および学内重点研究)のスタートとしてキックオフ国際セミナーを実施するとともに、海外からのゲスト研究者(招聘は別予算)を交えた国際研究集会を開催し、国際共同研究への基盤を整えた。2014年5月にはドイツ・シュツットガルト大学のエクハルト・ハーン名誉教授を招いて、「サステイナブルでレジリエントな環境創成-持続的社会設計の未来を描く―」をテーマに、次世代インフラの戦略的概念について討議した。また8月には中国・重慶大学李教授を客員教授として招聘し、国際ワークショップ「レリジエントな持続的社会設計」をテーマに「レジリンエト」で「サステイナブル」なハイブリッド構造物の設計法の構築を中心テーマに検討した。 個人研究については、本研究の分担テーマにそった萌芽的研究を実施し、できるだけ学術論文にその成果をまとめるよう心掛けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代インフラ、インフラ概念の再定義に関して、ハーン教授を招いて実施した国際セミナー、研究チームによる共通講義(先端融合科学特論III)の準備・成果のまとめ作業を通じて、従来のインフラ概念の掌握及び課題の整理を検討することができた。また計画的視点から、震災復興におけるコミュニティインフラの役割に関する実証的な研究を進めることができた。さらに神戸大学建築学科の持続的住環境創成講座との連携によって次世代インフラとして「グリーンインフラ」の可能性を検討できた。これらの基礎研究・準備企画は、何れも国際セミナーの実施に繋がっており、国際的な融合研究拠点形成の足がかりが得られた。 また、見える化については、芥川を中心に萌芽的研究を推進している。構造系と計画系の接点の確認、さらにその接点から新たなインフラ計画論の構築に向けての検討、すなわち持続的環境設計学の構築にむけた研究のパラダムイメージの構築が当面の課題となることを確認した。 具体的な分担テーマに関連する成果は次の通りである。(1)建築・計画系(山崎):国土、農山漁村地域、歴史的環境、震災復興地域を対象に、次世代インフラの計画・政策理論、新規研究分野開拓を目指した研究を行った。(2)建築・構造系(孫):中国西南交通大学の国際共同研究基金を獲得し、中国の国産超高強度ワイヤを使用したレジリエントな耐震構造の研究プロジェクトをスタートさせた。(3)市民工学・構造系(芥川):インフラの状態をセンシングして、その状態を現場にて可視化する手法(On-Site Visualization)の研究を推進し、低コスト・低消費電力型モニタリングシステムの開発(平成24-26年度)を完了した。(4)市民工学・計画系(井料):交通ビッグデータ関連の研究とスマートインフラの制御に関連する交通現象解析を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、研究の第二段階として、4つの研究グループの課題研究を推進し、次世代インフラの「みえる化理論」を総合的な検討、持続的社会設計学を目指した研究分野の組織的・理論的体系化の構図を描くことにする。さらに国土強靭化法、第二次国土形成計画、東日本大震災からの復興を念頭においた、次世代インフラ研究の意義と可能性を検討し、新たな研究分野の構築にむけた研究企画へとつなげる予定である。
|
Causes of Carryover |
2015年3月に予定していた東京大学での研究打ち合わせ、資料収集のための出張が2015年4月に延期になったため、次年度に繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年4月に延期された研究打ち合わせ、資料収集を実施する。
|
Research Products
(7 results)