2015 Fiscal Year Research-status Report
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26630288
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
海野 聡 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (00568157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 敬 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (10463449)
小田 裕樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (70416410)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 復元 / 復原 / 吉野ヶ里遺跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2ヶ年目にあたり、日本における遺跡の復元の事例収集をおこなった。これにあたっては大学院生・大学生を研究アシスタントとして雇用し、実務にあたらせた。また復元の初期とも位置付けられる伊東忠太の平安神宮に関する資料調査を東京大学工学系研究科建築学専攻のご協力により、閲覧の機会を得て、調査をおこなった。 現地調査として、京都府の平安神宮、北海道の標津町の竪穴建物や佐賀県の吉野ヶ里遺跡の調査をおこなった。あわせて招聘を受け、弥勒寺官衙遺跡群の正倉の遺構の検討を行い、倉庫建築の復原に関する基礎的な考え方の方針を議論した。 また研究成果の発表としては、東海大学において開かれた日本建築学会の学術講演大会において、復元学の学史と意義について発表し、討論を行った。海外におけるイギリスの日本ソールズベリ研究所より招聘を受け、ヨーク大学において「New Aspect of Japanese Architectural History based on Excavation」というタイトルで、発掘と日本建築史の関係について講演し、その中で平城宮朱雀門の復元の事例を紹介した。このヨーク大学での討議により、イギリス国内にも日本と同じく、議論となる復元建物が存在するとの指摘を受け、2016年度の調査計画の核となる事例に関する情報を得ることができた。また本研究の成果の一部を含む学術書『奈良時代建築の造営体制と維持管理』を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
首里城など、後述の研究成果公開に向けた調査が必要であるが、十分な現地調査・史料調査ををおこなうことができた。また研究史を整理し、これを公開することができており、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
復元に関する書籍の出版の準備を進めている。これは前述の学術書の刊行とともに、報告書の内容と重複するため、これらの書籍をもって、報告書による研究成果の公開の代替とする予定である。またこれらの復元の過程を整理し、その方法を明らかとし、研究成果を公開したい。
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Causes of Carryover |
残額が少なく、適切な調査旅費などに充てられないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
復元建物の調査旅費に充てる。
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Research Products
(6 results)