2014 Fiscal Year Research-status Report
過冷却液滴衝突・混合・急速凝固堆積法によるAl基新非平衡相合金の創成と特性の解明
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26630299
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
井上 明久 城西国際大学, 環境学部, 教授 (10108566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孔 凡利 城西国際大学, 大学共同利用機関等の部局等, 助手 (20724248)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複層材料 / 過冷却液体接合 / 単ロール急冷法 / Al基準結晶分散合金 / Fe基ガラス合金 / 異相界面組織 / 機械的性質 / 溶湯噴出条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
単ロール液体急冷法により、溶湯から直接にAl基ナノ準結晶分散合金とFe基ガラス合金からなる異種類の複層非平衡合金リボン材を作成するための急速凝固条件、得られた複層材の構造と組織、特に異相界面組織、ならびに複層材の熱的安定性および特性についての挑戦的萌芽研究を行った。 平成26年度では、Al-Fe-V系ナノ準結晶分散合金とFe-Ni-P-Cガラス合金の異種両合金液体を噴出ノズル下の湯だまり域での過冷却状態で瞬時に拡散接合させて、長尺の複層リボン材を作成するための試行錯誤的研究を、二つのノズルの形状やノズルの相互配置ならびに合金液体の溶解噴出条件を広範囲に変えて行い、Al-Fe-V系ナノ準結晶分散合金とFe-Ni-P-Cガラス合金の複層リボン材を約1mの長さで作成できる条件が把握されつつある。 今後、作成条件をより精緻に検討して、より長尺で幅広い複層材を作成できる条件の確立に努めると共に、Fe基ガラス合金での補強によるAl基ナノ準結晶分散合金の高比強度化と耐熱強度の向上が達成できるか否かの見極めを行う予定である。 なお、本研究で作成条件を検討中に合金液体を高温に加熱した場合、得られるFe基ガラス合金およびAl基ナノ準結晶分散合金材の構造、熱的安定性、機械的性質が大きく変化する新現象を見出した。今後この新現象に着目した研究も本課題から派生した新課題として遂行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Al-Fe-V系ナノ準結晶分散合金とFe-Ni-P-C系ガラス合金の異種合金複層リボン材の過冷却液体の瞬時の拡散接合による作成と組織、特性評価に関しては、当初の計画通り順調に進んでいる。しかし、問題点として、複数の溶湯噴出ノズルの位置関係から二つの層が完全に重なりあう複層材の作成は困難であり、完全な重なり合いが生じるためのノズルの位置、配置調整機構、溶湯噴出温度条件を検討する必要があると考え、検討中である。 一方、この合金溶湯噴出条件を検討中に、Fe基ガラス合金およびAl基ナノ準結晶分散合金の液体噴出温度を変えて研究を行っている際に、各合金の溶湯温度を著しく上げて噴出した際に、Fe基ガラス合金やAl基ナノ準結晶分散合金の熱的安定性や機械的性質が大きく変化することを見出し、これが合金成分や酸素量の変化では説明できない新現象であることが判明しつつある。このように、本挑戦的萌芽研究課題は本来の提案課題に対してはほぼ順調に進行すると共に、さらに当初計画した範疇内にはなかった新規な現象を見出している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初検討した異種合金複層材の作成条件をより精緻に詰めて、より長尺で大きな面積で重なり合った複層のAl基ナノ準結晶分散合金とFe基ガラス合金からなる新規材料の作成を試み、得られた複層材が各単相材では得られない高比強度、高熱的安定性、高耐熱強度などの有用な特性を発現するか否かを調査し、この2相同時の合金液体噴出法による過冷却液体瞬時拡散接合による高機能複層リボン材料作成と機能特性発現の可能性を見極める。 また、その複層材料作成時の溶湯噴出条件を検討中に見出した新現象である合金液体の超高温加熱法によるFe基ガラス合金およびAl基ナノ準結晶分散合金の構造、組織、特性を制御する新規研究を本挑戦的萌芽研究から派生したものとして、並行して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究用消耗品であるNi3P, Fe3P, Bおよび Gaなどの金属原料素材の単価価格を実際より高いものと判断して、
それらの数量を少なくして購入した。しかし、実際の購入価格は想定単価額ほど高くなく、その差が残額となってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Ni3P, Fe3P, BおよびGaなどの研究用金属原材料の購入に当てる。
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Research Products
(8 results)