2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630304
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟窪 浩 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (90219080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 賢輔 神奈川県産業技術センター, 化学技術部, 主任研究員 (70426360)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Mg2Si / 熱電測定 / 格子歪 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は熱電材料として大きな期待を集めているMg2Siについて、熱電特性の評価が可能なエピタキシャル膜を絶縁体である(001)Al2O3基板上へ作製することに世界で初めて成功した。得られたMg2Siエピタキシャル膜は、約0.2%の格子歪みを有しており、p型伝導を示した。Mg2Siの研究は、格子歪みが無い焼結体や単結晶で行われており、n型伝導を示すことが広く知られている。エピタキシャル膜において、n型伝導ではなくp型伝導を示した結果は、格子歪みがMg2Siの伝導特性を支配する最も重要な支配因子である可能性を示している。本研究は、種々の結晶格子歪みを有したエピタキシャルMg2Si膜を作製し、格子歪みの熱電特性に及ぼす影響を明らかにする。得られた知見を基に、格子歪み制御による特性の向上方法を検討することで、Mg2Siの熱電特性を飛躍的に向上させることを目的としている。
種々の方位のMgO, SrTiO3やSiC単結晶基板上にMg2Siのエピタキシャル薄膜を作製可能であることを明らかにした。得られた膜の基板との方位関係を明らかにするとともに、結晶構造解析をおこなった。その結果、種々の歪を有したMg2Si膜の作製に成功しており、電気特性および熱電測定も異なっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の基板上に歪量の異なるエピタキシャル膜の作製に成功しており、次年度に膜の歪と熱電特性を系統的に研究するための試料作りができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主に、種々の組成のMg2Siエピタキシャル膜の作製と評価に取り組む。
1) エピタキシャル膜作製:従来Mg2Siに添加することで高い熱電特性が得られることが報告されている、p型のAgやn型のSn等での置換をまず行う。特に特性が低くMg2Siの実用化の大きな問題になっているp型に関しては、クラーク数が1桁で毒性が無いものの、これまでに十分な評価がされていないCaを試みる。組成の制御は、Mgディスク上に種々のチップを置いて行う。
2) 膜評価:得られた試料の評価は、初年度と同様の方法で評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は作製した膜の結晶構造解析に多くの時間がかかり、当初予定したより作製した膜の数が少なく、膜作製に為の費用をすべて使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
結晶構造の評価方法は確立したので、膜の作製から評価を系統的に行い、当初の目的を達成する。
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Research Products
(15 results)