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2014 Fiscal Year Research-status Report

新規抗ウイルス粉体材料の合成およびその耐久性向上メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 26630317
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

陳 中春  鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00282111)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords抗ウイルス材料 / メカニカルアロイング / 酸化カルシウム / 水酸化カルシウム / アルミナ / 鳥インフルエンザ / セラミックス / 公害防止・対策
Outline of Annual Research Achievements

インフルエンザ蔓延の対策として、新たな抗インフルエンザウイルス材料が求められている。水酸化カルシウムや酸化カルシウムを水和処理したものは即効性があり高い抗ウイルス性を示すが、抗ウイルス効果の持続性はほとんどない。本研究では、酸化カルシウムや水酸化カルシウム粉末に第二相を添加し、さらにメカニカルアロイング(MA)処理を施すことで耐久性のある抗ウイルス粉体材料の開発を目指している。本年度では、抗ウイルス効果に及ぼす原料粉末の種類、添加剤の種類や添加量、MA処理条件などの影響を調べ、高病原性鳥インフルエンザの抑制に高い即効性と持続性を有する新規抗ウイルス粉体材料の組成設計および作製条件について検討を行った。試料の抗ウイルス性と耐久性は鳥インフルエンザウイルスH5N3亜型株を用いて評価した。得られた成果を以下に示す。
1.第二相を添加しない酸化カルシウム試料は、1時間以上のMA処理を行うと、抗ウイルス効果に顕著な耐久性が見られた。その原因として、粉末試料の分析からMA処理に用いた容器とボールのジルコニアが混入したことによるものと考えられる。MA処理を8時間行った試料は、粒が丸くなり、粉末の比表面積が小さくなることによって、炭酸ガスとの接触面積が低下したことにより耐久性が向上したと考えられる。
2.酸化カルシウムに第二相としてアルミナを添加し、さらにMA・水和処理を行った試料は、より短時間のMA処理で抗ウイルス効果の耐久性が向上した。これは酸化カルシウムにアルミナが固溶したことと、凝集による粒径の増大のためと考えられる。
3.水和処理工程を省ける水酸化カルシウムにMA処理を行うことでも耐久性が向上した。さらにアルミナを添加してMA処理を行うとアルミナを添加しない試料よりも高い耐久性が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度では、優れた耐久性を有する新規抗ウイルス粉体材料の開発を目指し、酸化カルシウムや水酸化カルシウム粉末に少量の第二相を添加し、さらにメカニカルアロイング(MA)処理により抗ウイルス粉体材料を合成した。合成した粉末試料はXRDによる相同定と格子定数測定、組織観察、pH測定および高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N3を用いた感染力価の測定により評価した。
実施計画通り、酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムの2種類の出発原料と第二相としてアルミナの添加、MA処理等プロセッシング条件について系統的に研究を進め、提案しているプロセスにより抗ウイルス粉体材料を合成する可能性が確認された。また、MA処理および第二相としてのアルミナの添加により抗ウイルス効果の耐久性が向上した結果が得られ、新たな第二相添加物としてジルコニアの可能性も見出した。よって、本年度の研究目的を達成し、研究計画を順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に得られた結果を基にして、酸化カルシウムや水酸化カルシウム単体粉末にMA処理を行い、その構成相・微視組織、抗ウイルス性を調べるとともに、MA処理による抗ウイルス性向上のメカニズムを解明する。特に、ジルコニアの混入を防ぐMA処理条件を検討しながら研究を進める。
また、抗ウイルス粉体材料の化学組成、第二相としてアルミナおよびジルコニアの添加、プロセッシング条件と微視組織・抗ウイルス性との関係を再検討し、最適な抗ウイルス効果を引き出すための化学組成やプロセッシング条件の影響を明らかにする。さらに、新規抗ウイルス粉体材料の組成設計、プロセッシング条件、組織制御の指針を提案し、高い即効性と持続性を有する新規抗ウイルス粉体材料合成の可能性を明らかにする。

Causes of Carryover

当初計画していた一部の機器使用料等が発生しなかったため

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度の当初交付額に対し、約175千円の残額が生じた。これを次年度の物品費用へ充当する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] メカニカルミリングを利用した新規抗ウイルス材料創製のための基礎研究2015

    • Author(s)
      音田哲彦、米田祐介、赤尾尚洋、本池紘一 、伊藤啓史、伊藤壽啓 、陳中春
    • Organizer
      日本金属学会2015年春季講演大会
    • Place of Presentation
      東京大学駒場 I 地区キャンパス
    • Year and Date
      2015-03-19

URL: 

Published: 2016-05-27  

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