2014 Fiscal Year Research-status Report
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26630333
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘志 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20598586)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細孔 / 吸着 / 光異性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、多孔性結晶を用いた異方的能動輸送の実現を目的とする。 平成26年度は、基礎となる光応答性多孔性配位高分子(PCP)の設計、合成、基礎的な光応答性について研究を進め、期待する成果を収めることができた。 まず、物質輸送の具体的なターゲットを水分子と設定し、PCPの設計を行った。紫外光照射によって構造的、化学的性質を可逆的に変化させるアゾベンゼンを組み込んだカルボン酸系有機配位子を設計するとともに、水に対して高い安定性を有するジルコニウムクラスターをユニットとするPCPの設計を行った。続いて、目的配位子をグラムスケールにて合成し、ジルコニウ塩と種々の条件で反応させることにより、目的とするアゾベンゼンユニットをフレームワークに組み込んだPCP単結晶の作成に成功した。単結晶X線構造解析、熱重量分析測定より、得られた単結晶の構造および安定性を評価した。配位子のみとPCP結晶の光異性化挙動を紫外可視吸収スペクトル測定および1H NMR測定により調べたところ、いずれの場合も可逆的な異性化挙動を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するために必要不可欠である、光応答性PCPの設計、合成に成功しただけでなく、その光異性化挙動を溶液中および固体中で確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた光応答性多孔性配位高分子の水吸着特性および光応答性を検討する。水吸着特性と光異性化効率、細孔構造の関係を定量的に解析することで、応答性メカニズムを明らかにするとともに、異方的な水輸送現象の実現を目指す。
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Causes of Carryover |
年度途中での所属の異動があり、使用計画を変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
直接経費として物品費(試薬およびガラス器具)、旅費(国内出張:15万円、国外出張:40万円)、その他(論文校閲費等)として適切に使用する。
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Research Products
(2 results)