2014 Fiscal Year Research-status Report
1200℃~1500℃対応型Ni-Ir-Al-W基超耐熱合金の開発
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26630338
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60451530)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 耐熱材料 / 超合金 / 金属間化合物 / 相平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ni-Al-W、Ni-Ir-Al、Ni-Ir-Wの各3元系状態図を実験的に決定した。Ni-Al-W系は過去に報告があるが、相平衡実験値の存在しない領域もあった。本研究により、Ni側の相平衡の全体を900℃~1300℃の温度範囲で決定した。γ/γ’平衡、γ’/β平衡は拡散対の報告値が存在するが、本研究では合金法で決定し直し、より信頼性の高いデータが得られたと考えられる。また、固液平衡についても決定した。Ni-Ir-Al3元系の1100℃、1200℃の状態図を決定した。γ/γ’/βの相平衡を決定することができた。また、Ni-Ir-W3元系の1200℃、1300℃、1400℃の状態図を実験的に決定した。γ/ε’(D019)/αの相平衡が決定できた。また、Ir-Al-W系の相平衡実験の追加を行った。Ir-Al-W-Ni系の相平衡実験を一部、着手した。さらに、これらの合金系のCALPHAD法による熱力学計算を行い、各3元系を再現することができた。 また、γ’相の析出組織は強度や組織安定性に大きな影響を及ぼすため、組成とγ’相形態の関係を把握する必要がある。そこで、Ni-Al-W-Ir系のγ相中のγ’相析出組織の観察を行った。Ir添加量が増加するにつれ、γ’相はより立方体形状となることがわかった。Ir無添加では球状に近い形態であったが、5%Ir程度から立方体形状になり、10%Ir以上においては明確な立方体形状となっていた。格子定数の測定の結果、Ir量増加とともにγ相、γ’相の両相の格子定数は増大し、格子ミスフィットは上昇していた。以上の結果から、弾性エネルギーを低減させようと立方体形状になったものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ir量の高い組成域は相平衡実験のための熱処理に工夫が必要であったが、種々検討の結果、当初の計画通りに実施することができ、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
実験手法も確立してきたため、引き続き、計画に沿って研究を遂行していく予定である。特に機械的性質の評価にも注力したい。
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Causes of Carryover |
今後、単価の高いIr原料の使用量が増加することが見込まれたため、今年度は使用額を制限した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
相平衡実験、機械的性質の評価などの実験に使用する原料などに使用する予定。
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Research Products
(2 results)