2015 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織と軟組織のいずれにも適合する金属・セラミックス・有機系生体材料の開発
Project/Area Number |
26630345
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒田 健介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (00283408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 英晴 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90345885)
土屋 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20569785)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体材料 / 組織適合性 / 表面吸着 / タンパク質 / 薬剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的に急速な高齢化が進む中,歯科や整形外科領域においてインプラント治療が激増している.しかし骨形成能の低い高齢者には,インプラント治療が困難な場合が多く,低い骨形成能患者に対して適用できるインプラントの開発が急務である.本研究では,工学と医学が独自に検討してきたインプラントへの有効な表面処理,すなわち金属表面の親水化処理と,金属表面へのタンパク質吸着処理を融合させ,コーティング層を有せずとも高い骨伝導性を有する「タンパク質吸着型バイオインプラント」の作製技術を構築する.作製したバイオインプラントを動物生体内での骨形成能評価に供するとともに,学術的観点から吸着タンパク質種の特定や定量評価,吸着メカニズムの解明など生体外評価も積極的に行い,これらの相関関係を明らかにする.さらに,合金インプラント表層からの合金元素抑制処理やバイオインプラントへのタンパク質や薬剤の吸着性・徐放性制御などの応用研究も試みる.このうち本年度は,生体材料用ポリマーPEEK表面の超親水化(水滴接触角<10度以下)とその維持に成功した.あわせて,昨年度から継続して行ってきた金属系生体材料,セラミックス系生体材料へのタンパク質(アルブミン,フィブロネクチン,デコリン)吸着,薬剤(インドメタシン,イブプロフェン)吸着試験を行い,材料表面の水滴接触角によって吸着量が著しく変化することを明らかにするとともに,タンパク質を吸着させた試料の硬組織・軟組織適合性についても評価し,従来から考えられてきた「有効なタンパク質は細胞接着性タンパク質である」という概念を大きく覆す画期的な結果を明らかにした.
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Research Products
(29 results)