2015 Fiscal Year Annual Research Report
三次元臓器様組織構築に向けた細胞アーキテクトニクス材料の創製
Project/Area Number |
26630356
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (70354264)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞接着剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
タラゼラチンの側鎖アミノ基の一部をステアロイル基に置換したステアロイル化タラゼラチンを用い、MG63細胞に添加後の細胞凝集塊形成を検討した。プレートをインキュベーターで1~4時間静置した結果、ゼラチン濃度が1mg/wellにおいて、疎水基導入率が4~18.7mol%の条件に凝集塊形成が認められ、静置時間の経過と共に凝集体が小さくなった。一方、疎水化していないゼラチンでは、濃度が高い条件においても凝集塊形成が認められなかった。 また、細胞間結合においてカルシウムイオンが重要な役割を果たしていることから、細胞凝集塊形成に及ぼすカルシウムイオンの影響について検討した。カルシウムイオン濃度が1mg/wellでは細胞凝集ができなかった。カルシウムイオン濃度が5mg/well及び10mg/wellでは、150~700rpm, 1minの攪拌では細胞凝集ができなかったが、800rpm,1000rpm/minの攪拌で輪の形状をした細胞凝集が確認できた。また、700rpmでは攪拌時間を5分、10分と長くすることで細胞凝集が観察された。以上の結果から、カルシウムイオン溶液は5mg/wellもしくは10mg/wellの濃度で、800rpm以上で1分間の攪拌もしくは700rpm5分以上の攪拌で細胞凝集塊ができることが明らかとなった。 さらに、ステアロイル化タラゼラチンとカルシウムイオンによる細胞凝集塊形成を評価した。700rpm10minの攪拌直後、全てのウェルにおいて細胞凝集は見られなかったが、プレートをインキュベーターで1~4時間静置した結果、疎水基導入率9.6~18.7mol%において細胞凝集が確認できた。カルシウムイオン溶液が入ったウェルでは、入っていないウェルと比較して、細胞凝集が小さくなる傾向があった。特に、導入率の高いステアロイル化タラゼラチンにカルシウムイオンを添加すると、凝集塊のサイズが半分以下になることが明らかとなった。
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