2015 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子含有ミスト堆積法による低温での結晶性薄膜形成と微細表面テクスチャー制御
Project/Area Number |
26630358
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 明 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40182901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミスト堆積法 / ナノ粒子 / 酸化チタン / PEDOT・PSS / 酸化グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
ミスト法は、超音波により霧化した液体を用いて製膜を行う低コストかつ低エネルギーな手法であるという特徴を有している。超音波霧化により形成したナノ粒子を含む微小液滴の基板への噴霧より製膜を行うミスト堆積法により、TiO2/PEDOT-PSS ハイブリッド薄膜および酸化グラフェン薄膜の形成を行い、その表面的テキスチャおよび特性についての検討を行った。ミスト堆積TiO2/PEDOT-PSS ハイブリッド薄膜の光照射下でのI-V曲線においては、TiO2が光励起されるUV光を含む周期的光照射(Figure 4a)においては、光照射オンによる電流減少とオフによる電流増加が観測された。これに対して、L42フィルターによってUV光をカットした周期的光照射(Figure 4b)においては、光照射オンによる電流増加とオフによる電流減少が観測された。UV光照射下での電流値低下(導電性低下)には、TiO2の光励起により生じたキャリア(電子)とPEDOT-PSS由来のキャリア(ホール)との再結合の影響が考えられる。グラフェンは次世代の透明導電膜材料として期待されているが、透明性を得るためには極薄膜の形成法が重要となる。しかしグラフェンは溶液中での分散性が低いためにウェットプロセスの製膜が難しいという問題がある。このため近年、酸化グラフェン分散水溶液からの製膜および加熱やレーザー光照射による還元グラフェン薄膜の形成についての検討が行われている。そこで、酸化グラフェン分散水溶液を用いたミスト堆積法による製膜(Figure 5)とレーザー光照射による還元グラフェン膜の形成に関する検討を行った。ミスト堆積酸化グラフェン膜へ405 nmブルーバイオレッドレーザー光を照射することにより、還元グラフェン膜へ変換されることが顕微ラマンスペクトル等の観測から示された。
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Research Products
(3 results)