2014 Fiscal Year Research-status Report
フレーム法に超高速場を融合して試作するセラミックス厚膜
Project/Area Number |
26630361
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80250984)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セラミックス / 膜 / 溶射 / EDTA / イットリア / エルビア / 気孔率 |
Outline of Annual Research Achievements |
溶射でセラミックス膜を高速合成すると気孔の目立つ膜となり、機械的にもろい。原料が粒子であり、粒子吹付速度600 m/s程度ではこれが限界だ。気孔率ゼロのセラミックス膜を目指すために、高速流体ノズルを凌駕する超高速手法を考案した。長さL=100 mmの棒を200,000 rpmで回転させると速度は2,000 m/sと等価となる。これを超高速場と名付け、そこにオリジナルのEDTAフレーム法を組み合わせる。EDTAフレーム堆積法と超高速場を組み合わせ、気孔率ゼロの種々のセラミックス厚膜を合成し、特異構造を見出す。 1) 実験装置の組み立てと実験 サンドブラスト装置を利用して、超高回転モーターおよびインバーターと組み合わせて装置を組み立てる。引張強度が400 MPa以上の高張力鋼の長さ100 mmの棒を超高回転モーターに装着する。棒先端にはSUS316あるいはアルミ合金基材を装着する。サンドブラスト装置からアルミナ、イットリア、セリアなどの粉末を噴出して10,000-50,000 rpmで回転する超高回転モーターに装着された棒を回すための装置を製作するための準備が完了した。 2) EDTAフレーム堆積法との融合 EDTAフレーム堆積法により、粒子速度と堆積した膜の二次元気孔率の関係を調査した。得られた試料をX線回折法による結晶構造決定ならびに析出異相の同定、走査型電子顕微鏡法による膜断面の観察を実施した。その結果、70 m/sから80 m/sの粒子速度の場合、Erのように原子番号の大きい元素であれば気孔率は5%以内に抑えることができることがわかった。Yのように原子番号の中程度の元素であると粒子速度が90 m/s以上あっても気孔率は5%以内にはならないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)実験装置の組み立てと実験 サンドブラスト装置を利用して、超高回転モーターおよびインバーターと組み合わせて装置を組み立てる作業では、サンドブラスト装置からアルミナ、イットリア、セリアなどの粉末を噴出して10,000-50,000 rpmで回転する超高回転モーターに装着された棒を回すための装置を製作するための準備が完了して、実験に移行する段階にきている。 2) EDTAフレーム堆積法との融合 EDTAフレーム堆積法により、粒子速度と堆積した膜の二次元気孔率の関係を調査する作業では、70 m/sから80 m/sの粒子速度の場合、Erのように原子番号の大きい元素であれば気孔率は5%以内に抑えることができるという具体的な速度が判明しており、目標とする速度を実現できればこれ以上に抑えられた二次元気孔率が実現できる観測がたった。
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Strategy for Future Research Activity |
完成した実験装置を作動させて、当初の計画通りで推進していく。
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Causes of Carryover |
サンドブラスト装置を借用することができ、購入の要がなくなったことと、合成装置の改造が必要になる事案が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
合成装置の改造をおこなう。
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Research Products
(4 results)