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2014 Fiscal Year Research-status Report

自己組織化的整合成長による非平衡結晶構造薄膜の創製

Research Project

Project/Area Number 26630362
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

松田 健二  富山大学, 理工学研究部, 教授 (00209553)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野瀬 正照  富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords結晶成長 / 電子顕微鏡 / 表面/界面物性 / 構造/機能材料
Outline of Annual Research Achievements

(1)材料と成膜プロセス:計画通り26年度はAlNとAlONの組み合わせで研究を実施した。差動排気同時成膜装置の左チャンバーにAlターゲットを、右チャンバーにAl2O3ターゲットを設置し、左にAr+N2を一定量流して全圧を0.3Paとし、右にはAr流量とN2流量を変化させて全圧を0.2Pa(1試料のみ0.4Pa)一定にして成膜を行った。まずAlN層を約0.2~0.3μm成膜し、数秒後にAlN層の上に同程度の厚さのAl-O-(N)層を、N2分圧をプロセスガスモニタで測定しながら成膜して、2層膜を堆積した。
(2)多層膜の評価/分析:その結果、左から右に少量のN2ガスが流れ込むため、右側(にN2を流さないとき)の最小N2分圧は0.03Paであることがわかった。このとき右側で堆積する膜の構造はアモルファスライクな微結晶であった。しかし、右側のN2分圧が0.04Pa以上になると明確なAl-O-N構造を示すSAED図形が観察された。また下層のAlN膜中の柱状構造と連続するような微細組織が上層のAl-O-N層中に多数観察された。
(3)窒化物/酸化物単一構造結晶膜の作製:AlN/AlO(N)単一結晶構造膜の作製にチャレンジするために右のAl2O3ターゲット側の窒素分圧を0.1Paまで高めて成膜を行ったところ、断面TEM明視野像ではAlN/AlON界面が不明瞭な膜が得られた。(組成が異なるので当然であるが)単一構造膜では無かったものの、下層と上層のエピタキシャル成長が確認でき、上下層間の結晶方位関係も明らかになった。
(4)上層の下層に対するエピタキシャル成長による自己組織化の有無は上層(酸化物側)の窒素分圧が最も重要なパラメータであることが分かった。その他、基板温度も大きなパラメータとなる可能性があると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

通り達成できた。
(理由)
本事業の交付申請書に記載の平成26年度計画に記載の全ての項目をほぼ計画通り実施した。ただし、(3)の単一結晶構造膜自体は得られていないが、上下層とも多結晶膜ではあるものの、エピタキシャル成長と見られる連続的な柱状構造と境界が極めて不明瞭な界面を有する二層膜を得た。また上下層間の明瞭な方位関係も明らかにできたことから、ほぼ計画通りの達成度であったと判断できる。

Strategy for Future Research Activity

(1)AlN/AlON二層膜の構造解析:26年度に作製した試料の高分解能電子顕微鏡による構造解析を実施する。上下層間のエピタキシャル成長の様子を詳細に調べるとともに上下層間の方位関係を確認する。さらに、EELSを用いて膜中の酸素、窒素の分布状況なども調べる。また、基板温度を高くして成膜した場合にはこのエピタキシャル成長が促進されることを把握しているが、さらに電子顕微鏡を用いた解析を進めて、基板温度の影響も詳細に調査する。
(2)TiN/TiON二層膜の作製と評価・分析:AlN/AlON二層膜の研究で得られた知見を基に、Ti-O-(N)膜が非晶質相から結晶相に変化するための条件を明らかにする。まずはTiN,
TiON各膜の結晶構造や配向性と成膜条件との関係を押さえる。特にTiONの場合は、窒素分圧が最も重要なパラメータとなることが予想されるために、まず単相膜でその構造変化と窒素分圧の関係を明らかにする。
(3)次いで、二相膜を作製し下層のTiNと上層のTiON膜との方位関係やエピタキシャル成長に及ぼす成膜条件を明らかにする。
(4)AlN/AlON二層膜およびTiN/TiON二層膜の研究で得られた知見を基に、上層の窒酸化物膜の自己組織化機構を検討し、最終年度の計画に反映させる。

Causes of Carryover

残額5500円で購入すべき物品が見つからなかったため

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度予算700千円(野瀬への配分額は300千円)と合わせて有効に執行する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] AlN/Al2O3積層膜の構造に及ぼすスパッタ条件の影響2014

    • Author(s)
      坪田正道、佐藤誉将、後藤慎弥、足立佳亮、松田健二、野瀬正照
    • Organizer
      日本金属学会北陸信越支部・日本鉄鋼協会北陸信越支部平成26年度連合講演会
    • Place of Presentation
      新潟工科大学
    • Year and Date
      2014-12-06 – 2014-12-06

URL: 

Published: 2016-05-27  

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