2015 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化的整合成長による非平衡結晶構造薄膜の創製
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26630362
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松田 健二 富山大学, その他の研究科, 教授 (00209553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 正照 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非平衡結晶膜 / 自己組織化 / 整合成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,差動型同時成膜装置を用いた窒化物/酸化物ナノ積層膜成膜時の整合成長による自己組織化を利用して非平衡結晶構造膜を創製するとともに,その形成機構を明らかにすることを目的としている。具体的には,結晶質窒化物層上に形成させる酸化物相や窒酸化物相の積層成膜において,自己組織化的整合成長を利用し,通常の方法では得られない非平衡の結晶構造を有する膜を創製する。得られた膜の微細構造や結合状態を調べることにより,積層成膜による自己組織化と非平衡結晶構造膜形成のメカニズムを明らかにし,新しい組織制御工学研究の新領域を開拓することを目指す。さらには,得られた非平衡結晶構造膜の物性を多方面から評価し,新素材創製プロセスを開拓することも目的の一つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度は当初の計画に合ったTiN/TiONナノ多層非平衡結晶膜の作製にまで至らなかった。理由は,TiON単層膜の作製条件と構造の同定に時間を要したためである。しかし,B1構造を有するTiON膜の作製条件はほぼ明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は下記の計画で実験を進める。 (1)TiN/TiON単一結晶構造膜の作製:B1構造のTiNと同じ結晶構造を持つTiONを積層し,TiN/ TiOx(N)の単一構造膜の作製にチャレンジする。TiNとTiOx(N)の各層厚さを最適化し,組成的には窒化物層と(窒)酸化物層の積層構造でありながら膜全体がB1の単一構造を有する非平衡結晶構造膜を成膜する。 (2)多層膜の評価/分析: 界面の微細構造に及ぼす成膜条件の影響と,窒化物/酸化物の適切な膜厚比を調べ,微細構造と成膜条件との関係,自己組織化整合成長に最適の条件を明らかにする。評価項目としては,光透過率,電気抵抗率の他光触触媒としての可能性を視野に入れて,各種物性評価などを計画している。また,HR-TEM, EELS, XPS, GDSなどを用いて,膜の微細構造観察,結合状態分析,膜厚方向の組成分布測定などを行い,成膜条件の微細構造に及ぼす影響を調べる。
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Causes of Carryover |
TiON単層膜の作製条件と構造の同定に時間を要したため、27年度は当初の計画に合ったTiN/TiONナノ多層非平衡結晶膜の作製にまで至らなかっため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電顕観察用フィラメント購入を予定
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Research Products
(1 results)