2016 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of thin films with non-equilibrium crystal structure by self-assembled hetero-epitaxy
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26630362
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松田 健二 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (00209553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 正照 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (70269570) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TiON膜 / TiO2 / 単斜晶 / ルチル型TiO2 / 光吸収スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度はTiON単層膜の作成条件と構造および特性との関係の調査を中心に研究を実施した。スパッタターゲットとしてTiO2を、スパッタガスとしてN2とArをそれぞれ用いて、導入ガス中のN2流量比を0%から100%まで変化させたTiON膜を作製した。X線回折パターンから、N2流量比0%~4%で成膜した試料では,一部アナターゼ型を含むルチル型のTiO2が形成されることがわかった。N2流量比6%で成膜した試料では単斜晶であるTiO0.34N0.74,Ti3O5が主な相であり、これに僅かにルチル型TiO2を含み、3種類の混合相であることがわかった。8%および10%で成膜した試料ではTiO0.34N0.74に加えてfcc構造のTiO相が観察された一方、Ti3O5のピークは消滅した。さらに、N2流量比が8%から10%に増加した場合, fcc構造のTiOのピーク強度が増加した。さらに N2流量が増加し、流量比15%以上で成膜した試料ではfcc構造をもつTiNまたはTiOのピークのみが観察された。 N2流量比が0,2および6%で作製した膜の光学吸収スペクトルを比較した。N2流量比の増加に伴い吸収端が低エネルギー側に移動し、N2流量比0%で成膜した試料では3.1eV,2%で成膜した試料では2.7eV,6%で成膜した試料では1.9eVとなった。この結果から、アナターゼ型TiO2に見られるような光触媒特性が期待されたが、水滴の接触角測定では、光触媒特性は確認できなかった。 ついで、TiN/TiON積層膜を作製し,上層のTiON膜の構造に対する下地TiN膜の影響を調査した。生成される相に変化は無いが、下地のTiN層の影響により上層のTiON膜の面方位が若干変化することがわかった。しかし、AlON単層膜とAlN/AlON積層膜との間で観られたような、大きな差異は観察されなかった。
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Research Products
(5 results)